魔王ふたり・12
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はあぁぁ……。
ふふ、瘴気のように甘い吐息をしているな。
そういうあなたの肌は、トカゲの舌のようにぬめやかだぞ。
君の愛撫のせいだよ、それは。
あなたの乳房は染み込むように私の手に馴染むからな。
くく、魔王と魔王が褥を共にする……。
いっときの戯れのつもりだったが悪くない。
互いに無限の魔力を持つもの同士だ。
文字通り底なし、というわけだ。
時は無限に繰り返す。
存分に私の口で喉を潤すといい。
いわれるまでもない。
狂態はここまでだ。
おう、無粋な。
今度は貴様らが我らに抱かれるか?
悪いけどー、私の相手は決めてるのーさ。
聞きたいことがある。
おう、いいぞ。我らの懈怠を埋めてくれるならな。
服着たらー?
なんだ? 魔王の肢体に情欲を催したか。
そんなもん、唾吐いてやるさー。
いいじゃないか。女同士だ。……くく。
……、
「世界の真理の扉」について聞きたい。
「世界の真理の扉」について聞きたい。
単刀直入だな。
「扉」を開いたことはあるか?
ある。
その奥は?
その答えを知りたかったら、私の足をしゃぶるがいいさ。
このっ……!
「切断姫」を納めろ。
……いいだろう。
……いいだろう。
ほぉ……。
冗談だ。私も答えに興味があるからな。
冗談だ。私も答えに興味があるからな。
期待させて申し訳ないが、私は奥を覗いただけだよ。
なにがあった?
闇さ。暗黒星のような。
そうか。
それがどうだというんだ?
これが知りたかった答えか?
これが知りたかった答えか?
いや。
「世界の真理の扉」。
「C」は、それを「バックドア」と呼んでいた。
「世界の真理の扉」。
「C」は、それを「バックドア」と呼んでいた。
ふうん。ところで「C」とはなんだ?
ずいぶんと畏れ敬ってるようだが。
ずいぶんと畏れ敬ってるようだが。
魔王風情に関係ないなーい。
なんだ、質問のお返しはナシか?
お返しに、アンタらまとめて存在ごと「切断」しよーか?
吠えるなあ。メンテナンスボット風情が。くく。
そこまでわかっていて「C」を知らぬのか。
「数式」に書いてないからな。
「C」とは、いわば我らすべての「母」だ。
仰々しいな。まさか神だとでもいうのか。
あながち外れてもないな。
ほう?
「C」とは、「クリエイター」の頭文字。
すなわち「世界の創造者」の意。
そして我らメンテナンス・ボットの母親のようなものでもある。
すなわち「世界の創造者」の意。
そして我らメンテナンス・ボットの母親のようなものでもある。
私らだけが、この世界で「C」に会ったことのある存在なーのさ。
そして、ひとりひとりに「名前」を頂いた。
それが我らの誇りであり、生きる証。
それが我らの誇りであり、生きる証。
それはそれは。
ちなみに、どのような「名前」なのだ?
ちなみに、どのような「名前」なのだ?
いわぬ。
なるほど。
それがボットどものレーゾンデートルであり、
さしずめ大事な心の小箱といったところか?
それがボットどものレーゾンデートルであり、
さしずめ大事な心の小箱といったところか?
なんとでもいえ。
で、そのありがたい「C」がなんだという?
今の我らに関係あるか?
今の我らに関係あるか?
今の世界の惨状をなんとか出来るのは「C」だけなーの!
無限に繰り返す世界、をか。
特に不都合はないが。
この場の一同、みな「超越者」だからな。
気にさえしなければ、問題ないではないか。
気にさえしなければ、問題ないではないか。
ふう。
まったく。知らないって幸せそーでいいーね。
なに?
問題はそこじゃーないのーさ。
はて? これ以上の問題などあったか?
大事なのは「世界のあるべきシナリオ」だけだ。
この狂いだけが問題なのだ。
この狂いだけが問題なのだ。
ふむ? そのようなもの、「数式」にあったか?
お前には読めぬよ。
「数式」ではなく、「日本語」だからな。
「数式」ではなく、「日本語」だからな。
「日本語」……?
なんだそれは?
今、我らが交わしてる言葉が「日本語」だ。
なにを馬鹿な。現に我らはコモン言語を喋っておるではないか。
それは、そういう「設定」だからだ。
コモン言語などという言語は存在しない。
コモン言語などという言語は存在しない。
「設定」?
まあ、このゲームは多言語対応だから我らが話しているのは日本語に限らないのだが。
ハングル、英語、フランス語、ドイツ語……。
ハングル、英語、フランス語、ドイツ語……。
それらも言語の名前なのか? まったく初耳なのだが。
別に知る必要もない、些事だ。
大事なのは「あるべきシナリオ」だけなのだ。
大事なのは「あるべきシナリオ」だけなのだ。
その芝居台本がなんだ?
世界の進むべき道が書いてあるのさよ。ぜーーーんぶね。
それがなくてなぜ困る?
現に世界は動いている。
現に世界は動いている。
けど違ってる。
その「シナリオ」とは、だろう?
予定調和など、はっ、あくびが出るわ。
まったく、「キャラクター」ってのはホント、進歩がないのーよ!
「キャラクター」の本質とはそれだ。仕方ない。
「キャラクター」? またも芝居がかった言葉が出たな。
記号的登場人物、という意味だったか?
まさにそうなーの。
自分の目で自分の目は見えぬものだからな。
見る?
お前たちは、私たちをボットと見破った。
それは私たちが、お前たちと異質な存在だからだ。
それは私たちが、お前たちと異質な存在だからだ。
あんたらが互いを見ても、「普通」にしか見えないでしょー?
苛立たしいな。
それが?
それが?
お前たちは「実在」しない。
ほ?
私らと同じ、「架空の存在」なの。プログラムコードの一節に過ぎないのーよ。
より詳しくいえば、「自立型人工知能プログラム」のひとつだ。
私も。お前たちも。この世界すべてのひとびとも。
私も。お前たちも。この世界すべてのひとびとも。
続く。