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LOVE魔王 第15話

タグ:LOVE魔王 魔王ふたり

小日本(こにぽん)
南の魔王の話、どう見る?
ついなちゃん
嘘じゃないけど隠してることがある、ってとこだろうね。
小日本(こにぽん)
うむ。あのときはここまで大事になると思っていなかったので、
あっさりと退いてしまったが……。
ついなちゃん
一次情報を手に入れそこなったのは、痛いね。
小日本(こにぽん)
悔いても詮無いが。
ついなちゃん
ところで南の魔王はどこに消えたんだろう。
小日本(こにぽん)
こちらが東の魔王の追跡に手一杯なのをいいことに、なにをしてる?
ついなちゃん
さあ、「回線」を抜けるよ。
小日本(こにぽん)
まさか我らが「真なる勇者」の世界に来ることになろうとは。
東の魔王め!
ついなちゃん
出た!
小日本(こにぽん)
良し。幸い辺りに人影はない。
ついなちゃん
「真なる勇者」に見られることは避けなきゃね。
小日本(こにぽん)
我ら裏方は存在を知られてはならないからな。
ついなちゃん
それにしても「真なる勇者」の世界と言っても、
見かけは向こうの世界と全然変らないねえ。
小日本(こにぽん)
「真なる勇者」の世界は、向こうの世界と、「外の世界」の影が
重なり合ったような世界だからな。

見かけがそっくりなのは当然だ。
ついなちゃん
仲間はもうみんなこっちに来てるんだろ?
小日本(こにぽん)
ああ。すでに追跡を開始してるはずだ。
我らも急ごう。
ついなちゃん
けど手がかりがないとね。
なにか騒ぎでも起こせばすぐにこっちの網に引っかかるんだけど。
小日本(こにぽん)
騒ぎを起こされるのは我らにとって困るがな。
その前に発見できれば最上なのだが……。
ついなちゃん
しかし東の魔王はこの世界でなにをするつもりなんだろう?
小日本(こにぽん)
破壊と混沌などとほざいていたが、具体的にどうする?
ついなちゃん
「真なる勇者」に倒されてくれれば楽でいいけどね。
小日本(こにぽん)
そんなことは「あるべきシナリオ」から外れてしまう。
ついなちゃん
冗談だよ。さて……どうすべきか。
小日本(こにぽん)
破壊と混沌……破壊と混沌、か……。
ついなちゃん
もしか! 「外の世界」からの入り口を破壊するんじゃ?
小日本(こにぽん)
ほお……なるほど。
そうなれば、「外の世界」と「真なる勇者」の世界の回線は断絶……。
ついなちゃん
回線を絶たれた「真なる勇者」は全滅するしか……ない。
小日本(こにぽん)
普通ならそんなことは絶対に不可能だが、
今のあやつは世界の「壁」の破壊が可能だからな。
ついなちゃん
こんな予想は外れていて欲しいけど……。
小日本(こにぽん)
よし、入り口のある「街の広場」に向かおう!
結月ゆかり
たわいない。たわいない。たわいない!

「真なる勇者」といってもこの程度か?
一呼吸で全滅してしまうとはな!
ついなちゃん
ホントにいたよ!
小日本(こにぽん)
ちぃっ! すでにやらかしてくれたか!
ついなちゃん
他の仲間は?
小日本(こにぽん)
間に合いそうにない!
結月ゆかり
おやぁああ?

「超越者」のお仲間が来たなぁ?
小日本(こにぽん)
悪いが口を動かす暇も惜しい。
ついなちゃん
また「鋲打ち」を喰らわしてやるよ!
結月ゆかり
2対1では分が悪いな、ひゃひゃっ!
小日本(こにぽん)
ぬあっ?
ついなちゃん
建物の壁?!

なんで急に!
小日本(こにぽん)
あやつ、「数式」と「電気」によってこの周辺の地形を書き換えたようだな。
ついなちゃん
こんな短時間で?!

くそっ、閉じ込められた!
小日本(こにぽん)
驚くべき速度で「数式」を使いこなすようになるな。
さすが腐っても魔王か。
ついなちゃん
もう! あの子がいればこんな壁、なんてことなく切断出来るのに!
小日本(こにぽん)
我々はこういう単純な破壊行為に向いていないからな。
ついなちゃん
やっぱこの壁、魔力を打ち消す仕様になってる。
まったく周到な!
小日本(こにぽん)
このままでは逃げられるか、入り口を破壊されるか、か。
ついなちゃん
もしかしてアレをやるの?!
小日本(こにぽん)
「世界の理」を乱す技ゆえ、極力私の力は使用したくないが
そうも言っておれんか。
ついなちゃん
身体への負担は大丈夫なの?
小日本(こにぽん)
それに構うときでもない。

いくぞ……!
ついなちゃん
無理しないで!
小日本(こにぽん)
いくぞ……!

「再開」!
結月ゆかり
あーはっはっはっはっ………ああん?

なにっ?!
ついなちゃん
「鋲打ち」!
結月ゆかり
うがあっ! な、なにが起こった?!
小日本(こにぽん)
世界全体の「数式」を書き換え、「時間」を
お前が建物を造る前の状態まで戻した。
結月ゆかり
ば、ば、ば、馬鹿なっ!

そんな馬鹿げた規模の数式の書き換えなどぉ……!
ついなちゃん
ウチの筆頭ナメんじゃないよ。

うらっ!
結月ゆかり
うがっ! くそ……もう片腕しか……!

おのれえええぇ!!
ついなちゃん
わかってるだろうけど、私らは「勇者」以外の
魔王を倒せる存在なんだよ。

南の魔王のときみたいに逃げられると思うな。
結月ゆかり
くううぅ、全身の「数式」が……崩れ落ちそう、だ……!
小日本(こにぽん)
助かりたいか?
ついなちゃん
えっ?!
結月ゆかり
なん……だと……?
小日本(こにぽん)
お前が「世界の真理」をなぜ知ることが出来たのか……。

それを話せば、消滅だけはしないでやろう。
結月ゆかり
ぐ、ぐぐぅ……。
ついなちゃん
けど、こいつはもう消滅させるしかないじゃないか。
小日本(こにぽん)
大事な情報源だ。致し方ない。
ついなちゃん
けど!
結月ゆかり
にやり。
小日本(こにぽん)
うわっ!
ついなちゃん
急に地面に穴が?!
結月ゆかり
はあっはあっはあっ! 万一のために隠しておいたのよ!
小日本(こにぽん)
この穴は……!

元の世界へと続くか!
ついなちゃん
もう穴が閉じて……くそっ、本当に周到なヤツだ!

これでまた向こうの世界で追っかけなきゃなのか?
小日本(こにぽん)
見事に「数式」を使いこなして開けた穴だな。

傲慢のようで用心深く、存在への執着の深さよ。

実に厄介な敵。
ついなちゃん
今度は問答無用で消滅させるよ、いいね?
小日本(こにぽん)
ああ、私が甘かった。

それと、私はしばらく休息が必要になりそうだ。
ついなちゃん
え?!
小日本(こにぽん)
東の魔王がやらかしたこの惨状を
私の「再開」でなかったことにせねばならん。
そこまで時間を戻すとなるとさすがに……。
ついなちゃん
ま、まさか消滅したりしないよね?
小日本(こにぽん)
ふ、これくらいで私が消えるか。
また、お前と北の王国のアイスを食べたいからな。

しかし以後の東の魔王の追跡はお前と他の仲間に任せるしかないだろう。
ついなちゃん
そっか……わかった、まかせて!
小日本(こにぽん)
頼む。

では、「再開」!
ト書き
続く。