ずん子ちゃん、幽霊に会う。
ずん子ちゃんが住む部屋。
ひゅ~どろどろどろ~。
あれ、中国うさぎちゃん?
どうしたの?
どうしたの?
いや、今回は私、幽霊役だから。
そういうことでよろしく。
そういうことでよろしく。
?
うん、わかった。
……で?
うん、わかった。
……で?
で、って言われても。
もっと幽霊に会ったっぽいリアクションがないと。
もっと幽霊に会ったっぽいリアクションがないと。
?
例えば?
例えば?
こんばんは~、ずん子ちゃん!
夕飯作りすぎたのでおすそ分けを……。
う、うわああ! 幽霊だあ! バタンキュ~……。
夕飯作りすぎたのでおすそ分けを……。
う、うわああ! 幽霊だあ! バタンキュ~……。
例えばこんな感じで。
なんか仕込みくさいけど、理解はしたわ。
ひとつみなさんが萌える感じでよろしく。
うーん、でも、幽霊って怖いものなの?
はい?
私そこらへんの感覚が理解できないんだけど。
死人が化けて出るんですよ? 怖いでしょ?
けど、幽霊っていっても死んでるだけで生きてる人間とどこが違うの?
え、ええ~?
例えば、怨念があって、とか?
例えば、怨念があって、とか?
恨まれてるひとは怖いだろうけど、私は無関係じゃない。
う、うーん、恨みで理性がなくなって無差別になって、とか?
それだって生きてる人間と大差ないじゃない。
幽霊の専売特許じゃないじゃない。
幽霊の専売特許じゃないじゃない。
死者が蘇るなんて理屈抜きで怖いって思うものなんじゃないですか?
もう会えないはずの死んだひととまた会えると考えると喜ばしいことじゃない?
そ、そう言われれば……?
日本の場合、死者への忌避の理由を神話で語ってますね。
あ、蘇った。
さすがに気絶してるのも飽きたので。
黄泉平坂のお話でしょ?
死んだ妻を現世に連れ帰ろうとしたら、腐敗して蛆に食われた姿になっていたという。
死んだ妻を現世に連れ帰ろうとしたら、腐敗して蛆に食われた姿になっていたという。
それで旦那がびびって奥さんから逃げたら、奥さんが怒って生きてる人間を死の国へと連れ去るようになったという。
それが日本での、「死」の始まりとされているのです。
ほうほう、神話でも死者は恐ろしいものとされているのですか。
キリスト教だと死ぬと煉獄へ送られるんでしたっけ?
それで救世主の再来と最後の審判をずっと待っているという……。
それで救世主の再来と最後の審判をずっと待っているという……。
その神の摂理に反するから、蘇った死者は忌むべきものとされているのですよね。
だからドラキュラとかは悪者になるのです。
だからドラキュラとかは悪者になるのです。
とすると、死者が蘇るというのは神話や宗教ではあってはならないこととされてるわけですか。
ですね。
まあ、そんなこといわれなくても死者を蘇らせるなんて不可能ですけど。
まあ、そんなこといわれなくても死者を蘇らせるなんて不可能ですけど。
不可能なのに、どうして禁忌とされちゃってるんでしょ?
さあ?
たぶん、他の新興宗教みたいなものが「死者を復活させる」なんて言葉で勧誘してたんじゃ?
日本や中国などの昔話で、死んだひとが蘇って云々という話では必ずしも幽霊は悪役と決まってないですからね。
ほら! 幽霊だからって無条件に怖がる理由はないじゃないですか。
生きてる人間と同じく、死んだ人間にもいいひとも悪いひともいるってことですか。
死者イコール悪いものって図式じゃ、死んだひとにも悪い気がしますね。
人間生きてれば、死別したひとと会いたいこともありますよ……。
ちょっとしんみりしちゃいましたね。
幽霊のコスプレしてる私がなんか浮いてるんですが……。
幽霊だけに、ね!
ちゃんちゃん!
終わり。