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くれないの空 第2回

第2回です。

タグ:くれないの空

ト書き
逃げる女と逃がす男。

男女の運命は再び交わるのであろうか?

互いの魂の呼応や、いかに……。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
はぁっ、はぁっ、どうして、街に、誰もいないの?
月読アイ
「黒王」に「くれない」の相手をさせ、私は悠々と追わせてもらう。

ふふふふっ。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
夕暮れ時で、私みたいな学校帰りや会社帰りのひとがいつもなら……!
月読アイ
ひとに助けを請おうとしても無駄だよ。

君は未だ私の結界の中にいるからね。

人々は無意識のままに私たちを避け、遠ざかるように行動する。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
はあっ! はあっ!
月読アイ
思う存分逃げたかな?

では君を打ち貫いてやろう。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
き、筋肉が痙攣して……動けない!
月読アイ
嘆く必要はない。

むしろ君は私に感謝するだろう。なぜなら……。
魔王(男)
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
ひゃっ!
月読アイ
ぬっ! 「黒王」が!
奥 神楽(大垣きゅん物語)
どうやら間に合ったか。
魔王(男)
……。
月読アイ
「黒王」の傷……ふむ。

よくやった。元の自分の世界で休むがいい。
魔王(男)
く……! 「吸血鬼」めが!
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
あの怪物が消えた……?
奥 神楽(大垣きゅん物語)
無事か?
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
は、はい。
月読アイ
「黒王」でもろくな時間稼ぎにもならんか。

さすが「くれない」。

我らの手から1000年以上逃げ延びているだけはある。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
盛り過ぎだ。

僕は200年程度しか生きていない。
月読アイ
ひとの血をすする、貴様のような悪鬼が「生きる」などと言うな!

生への冒涜だ!

奥 神楽(大垣きゅん物語)
……その通りだな。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
あ、あの……。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
巻き込んで、すまなかった。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
い、いえ、これは偶然の事故みたいなものだと思うし……。
月読アイ
違うね!
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
え?
月読アイ
私の結界は、普通の人間には絶対に通り抜けることなど不可能!

ではなぜ、お前にそれが出来た?
奥 神楽(大垣きゅん物語)
僕が呼び寄せたから……だろうな。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
え?!
月読アイ
そう。お前は魅入られた。吸血鬼のエサとしてな。

大方、危地を脱するためのエネルギーにでもするためだろう。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
……。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
そ、そんな!
月読アイ
なぜ私がお前を殺そうとするか教えよう。

吸血鬼に魅入られ、お前は「穢れた」のだ!

エサとして「印」が刻まれた、あとは喰われるだけの存在となったからよ!
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
え……? え、ええ……?!
月読アイ
こいつがお前を守るのは、なんてことはない。

自分の食事が大事というだけのこと。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
わ、私は……?!
奥 神楽(大垣きゅん物語)
……すまない。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)


そ、そんな、本当に……?!
月読アイ
我らの手で清められない限り、死してなお吸血鬼に利用される傀儡と成り果てるぞ。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
……!
奥 神楽(大垣きゅん物語)
……吸血鬼ってのは、そういう救いようのない存在なんだ。
月読アイ
まさに!

お前らの魂など煉獄にも行けやしない。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
わかってる。

けど、僕は「死」など選ばない。

選んでたまるか!
月読アイ
お前に選択権を与えた覚えはない。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
ぐうぅ!
弦巻マキ
「純白」。

ずいぶんとのんびり屋さんになったものね?
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
ひとが?!
月読アイ
お姉さま! 助けに来てくださったのですね!
弦巻マキ
気丈なあなたが助けを求める相手……。

なるほど。「くれない」か。納得だよ。

あと、「お勤め」の時は「萌黄」と呼びなさい。
月読アイ
はい! 「萌黄」。

他のお姉さま方は?
弦巻マキ
「真紅」も「新緑」もまもなく到着するはず。

今度こそ「くれない」を滅するために万全を期す。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
「花畑の四姉妹」……日本に揃っていたのか。
弦巻マキ
私たちを知ってるのね。

お仲間の敵討には絶好のチャンスじゃなくて?
奥 神楽(大垣きゅん物語)
そういうことには興味がない。
月読アイ
同族への仲間意識もないとはさすがのエゴイストね。
奥 神楽(大垣きゅん物語)
君。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
ひっ!
奥 神楽(大垣きゅん物語)
このままでは僕らは揃って滅ぼされてしまう。

どうする?
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
ど、どうって……?
奥 神楽(大垣きゅん物語)
生き続けたいか、君は。

僕によって穢された命を。
大垣 ゆん(大垣きゅん物語)
そ、それは……!
ト書き
続く。