くれないの空 第5回
くれないの空 第5回です。
命運が絶たれ、異形の枝が接ぎ木される。
その時彼女は。
その時彼女は。
はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!
戻ったぞ。
ぎ……ぎぎぎぎぎ……っ!
悪かった、拘束して。
でないとこの隠れ家が破壊されてしまうから。
でないとこの隠れ家が破壊されてしまうから。
ひゅーっ、ひゅーっ、ひゅーっ……。
喉が渇くだろう? そら、これを口に……。
!!!
ああっぶ、ふあぁ! ごきゅごきゅごきゅ……!
ああっぶ、ふあぁ! ごきゅごきゅごきゅ……!
ほら、口から血が垂れてる。
はっ! はっ! はっ!
はあぁ〜っ……。
はあぁ〜っ……。
落ち着いたかい?
わ、私はなにを……?
君を腹を減らしていただけさ。
正気を失うほどにね。
正気を失うほどにね。
え、と……私はどこに? なぜ、ここに?
見当識が多少混乱してるのかな?
ここは僕の隠れ家。自分が誰かわかる?
ここは僕の隠れ家。自分が誰かわかる?
私は……「あかね」。16歳。高校2年……それで……。
上出来だ。
なぜここに来たか覚えてる?
なぜここに来たか覚えてる?
ええと…なにか記憶がぼやけて……?
無理もない。
吸血鬼になったばかりで血に飢え過ぎていたからね。
吸血鬼になったばかりで血に飢え過ぎていたからね。
吸血鬼? 私……今、なにを口にしたの?
輸血用の血液パックだ。
!
待って? まさか私、その中身を、今……!
待って? まさか私、その中身を、今……!
美味だったろう?
ひ……! 吸血鬼って……吸血鬼って!
君と、僕のことだよ。
血を……私、飲んで……!
仕方ない。
飲まなくても死にはしないが、気が狂うほどに渇くからね。
飲まなくても死にはしないが、気が狂うほどに渇くからね。
血なんて……! 血なんて……!
まだ飲み足りないんだろう?
まさか! そんなの!
さあ、新しい輸血パックがある。
飲むといい。
飲むといい。
あ、ああ……!
無理をするな。
これで誰かが死んだわけでもない。
金も払った。裏ルートだけどね。
これで誰かが死んだわけでもない。
金も払った。裏ルートだけどね。
だ、ダメ! こんなもの!
我慢になんの意味もないよ。
ほら、今度はちゃんとストローをつけてやろう。
これならまだ人間っぽい気になれる。
ほら、今度はちゃんとストローをつけてやろう。
これならまだ人間っぽい気になれる。
う、うう……!
それでいい。
欲求には素直になることだ。
それが僕らの生きる意味となる。
欲求には素直になることだ。
それが僕らの生きる意味となる。
うっ……ううっ、ああっ!
なぜ? なぜこんなに美味しいの……ううっ!
なぜ? なぜこんなに美味しいの……ううっ!
なぜ泣くんだい?
わからない。
けど、なんだかいろんなものを一度に失ったような気がして……!
けど、なんだかいろんなものを一度に失ったような気がして……!
その感覚は正しい。理性か感性かが教えてるんだね。
僕がそれを悟ったのは吸血鬼になってだいぶ経ってからだったよ。
僕がそれを悟ったのは吸血鬼になってだいぶ経ってからだったよ。
あなたもその輸血パックを飲むのね?
ああ。
君もいつか「本当の血の味」を知る時が来るんだろうね。
君もいつか「本当の血の味」を知る時が来るんだろうね。
「本当の」?
ひとから直接血を飲むことさ。
……!
興味があるなら別に止めない。
それを聞いてウズウズしてるんだろ?
それを聞いてウズウズしてるんだろ?
そんなこと! 私は……。
恥じることはない、僕らはそういう生き物……いや、存在なんだ。
うっ……私、救いようがないわ。
でもないさ。
人間だって「生存」のために、同族を含めて無数の血を流してる。
それは吸血鬼の比じゃない。
人間だって「生存」のために、同族を含めて無数の血を流してる。
それは吸血鬼の比じゃない。
私、これからどうなるの……?
さあ?
それはいつも僕が知りたいことだよ。
それはいつも僕が知りたいことだよ。
続く。