東北ずん子小説・第一話
第一話です!『東北家の日常――かねはそと、まめはうち』
ずんだっだ~♪ ずんだっだ~♪ だれ~でも~♪
ずん子の放課後は一杯のコーヒーから……ではなく、ざるいっぱいの枝豆さんたちへのあいさつから始まります。
学校から帰ってきたら、すぐに着替えて台所へ。趣味と実益をかねたずんだ作りが、彼女の日課です。
学校から帰ってきたら、すぐに着替えて台所へ。趣味と実益をかねたずんだ作りが、彼女の日課です。
よーし!ヾ(*'∀`*)ノ今日もはりきってずんだを作るぞー! ……って、あり?
愛しい愛しい枝豆さんたちにごあいさつするため、ずん子は満面の笑みで冷凍庫を開けて――硬直しました。
常に枝豆さんで一杯になっているはずの彼女の家『東北家』の冷凍庫。
家族からの冷たい視線にも耐え、夏はアイスまとめ買いの誘惑を振り切って枝豆さんたちに捧げた冷凍庫。その中身が――。
常に枝豆さんで一杯になっているはずの彼女の家『東北家』の冷凍庫。
家族からの冷たい視線にも耐え、夏はアイスまとめ買いの誘惑を振り切って枝豆さんたちに捧げた冷凍庫。その中身が――。
それとも家出!? え……枝豆さあああ。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ぁぁぁぁぁぁん!!
ずん子は振り返ります。確かに昨日はあったはずなのです。
東北家の枝豆さん買い出し日は毎週月曜日で、買ってきた枝豆はすぐに茹で、ちゃんと曜日ごと小袋に分けて保管しています。
家族はみんな冷凍庫さんの存在をなかったものとして生活しているし、誰かが勝手に触れるなんてことはないはずです。
東北家の枝豆さん買い出し日は毎週月曜日で、買ってきた枝豆はすぐに茹で、ちゃんと曜日ごと小袋に分けて保管しています。
家族はみんな冷凍庫さんの存在をなかったものとして生活しているし、誰かが勝手に触れるなんてことはないはずです。
同棲中の思い人に「さがさないでください」と家出されたかのごとく床にへたり込んでいるずん子の背後から、遠慮がちのかわいらしい声が聞こえました。
ずん子は流れる涙もそのままに、悲劇のヒロインの失意を隠すことも忘れ、その声の方へと振り返ります。
ずん子は流れる涙もそのままに、悲劇のヒロインの失意を隠すことも忘れ、その声の方へと振り返ります。
――どうか、なさったのですか。
きりたぁん……(´;ω;`) 枝豆さんが……枝豆さんたちが……。
無表情な妹――きりたんは、膝を抱えてヘコむずん子の横をとてとてと通り抜けると、冷凍庫の前で立ち止まりました。かがまないと中がのぞけないずん子と違って、きりたんは冷凍庫の高さにぴったりサイズ。そのせいか、あるいは元々の性格か、彼女は特にリアクションもせずに、一度だけ小さく頷きます。
――なくなってますね。
だよね・゚・(゚うェ´゚)・゚・ そーですよね・゚・(゚うェ´゚)・゚・ 事実確認は大事ですよね(´;ω;`)
――捨てられた子犬みたいな目をしないでください、ずんねえさま。枝豆がひとりでにいなくなるはずがないでしょう。
(。・´_`・。)? 枝豆さんたちはお喋りするし、ずんだにしてあげるとすごい喜ぶよ?
――歩くんですか?
歩くよ?(o'∀'人)
豆の成長過程のうち、枝豆さんの時期だけ彼らと意思疎通ができる。
落雷を浴びて以来の、ずん子の得意技です。
経験上、枝豆さん期というのは人間の思春期と同じく難しい年頃ですから、いつかこういう日が来るのでは、と覚悟してはいましたが――、
落雷を浴びて以来の、ずん子の得意技です。
経験上、枝豆さん期というのは人間の思春期と同じく難しい年頃ですから、いつかこういう日が来るのでは、と覚悟してはいましたが――、
……いざ実際に家出されると、なかなかこたえるね、きりたん……。゚(PД`q*)゚。
――家出かどうかはどうでもいいですが……ずんねえさま、枝豆がご入用なら買ってまいりますよ。もし本当に家出したのであれば――お仲間のお話を聞いて、捜索に当たるべきかと。
――ねえさま?
|ω゚;)))))))シツレイシマース
ずん子が内心の焦りを隠しながら台所を退出しようとすると、きりたんは背中の二門の砲を彼女に向けて、無表情のままそう言いました――と書くと、サスペンスのシリアスなシーンっぽいのですが、構造上、彼女は四つん這いになって構えざるを得ませんので、なかなか間抜けな構図です。
とはいえ、威力は折り紙付きです。
こんな狭い空間で「きりたん砲」を発射されては、ずん子自身はもちろん、台所にある愛しのずんだ餅製造セットが味噌だらけになりかねません。
ずん子は巨大な敵を討てよ討てよ討てよとガ○キャノンのごとく伏せるきりたんの前に立って、両手を挙げました。
こんな狭い空間で「きりたん砲」を発射されては、ずん子自身はもちろん、台所にある愛しのずんだ餅製造セットが味噌だらけになりかねません。
ずん子は巨大な敵を討てよ討てよ討てよとガ○キャノンのごとく伏せるきりたんの前に立って、両手を挙げました。
あの……ですね(;゚∀゚)、今月の生活費がですね……?
ずん子が白状すると、そういうことですか、ときりたんは溜息を一つついて、構えを解きました。
おっかしいよね~。なんでお金なくなるんだろうね(´;ω;`)……あはは……。
――しっかりしてください。ずんねえさまの夢は秋葉原にずんだカフェを作ることでしょう?
でも、私の趣味なんてお金がかからないはずなのになあ(;´・ω・)諭吉さんも家出しちゃってるのかな。
――確かに、お札なら枝豆よりはまだ歩く可能性が高そうですが。そうはいっても――。
不服そうな様子をほんのわずかに表情に浮かべるきりたんでしたが、その言葉は、玄関のドアが乱暴に開けられる音に遮られてしまいました。
きりたんは声が小さいので、ちょっとの騒音でも喋る気をなくしてしまいます。
きりたんは声が小さいので、ちょっとの騒音でも喋る気をなくしてしまいます。
「誰かさん」はのしのしと廊下を軋ませて、台所へと向かってきます。
聞き慣れない足音でしたが、この家に「お客さん」が来ることは日常茶飯事です。
だから、きりたんもずん子も、なんとなく、察しはついていました。
聞き慣れない足音でしたが、この家に「お客さん」が来ることは日常茶飯事です。
だから、きりたんもずん子も、なんとなく、察しはついていました。
イタコ姉さま……(´゚д゚`)! じゃ、ないですよね。今日はどなたです?
『恵比寿天だにゃ。この娘が金に困ってるって言うんで、呼び出されたようだにゃあ』
――分かりやすい犯人ですね。ずんねえさま、たぶん、お金はイタコねえさまが――
わー!∑(゚ω゚ノ)ノ とうとう七福神さんたちまで呼べるようになったんですか、イタコ姉さま!(*´∀`*) すごくすごいです!
彼女こそイタコ専門学校首席卒業、十代にして史上最高のイタコの一人との呼び名高いイタコ姉さまです。
今回も東北家の危機を察して、あらかじめ力を使ってくれたのでしょう。
交霊中は語尾が『にゃ』になりますから、とても分かりやすいのも人気の秘訣です。
今回も東北家の危機を察して、あらかじめ力を使ってくれたのでしょう。
交霊中は語尾が『にゃ』になりますから、とても分かりやすいのも人気の秘訣です。
『こういうこともあろうかと、あた……イタコの娘の部屋に、切り餅を買い置いてあるんだにゃ! それを使うといいにゃ。この娘の切り餅とおヌシのずんだを使って――、』
ずんだ餅を売って資金稼ぎですね! 恵比寿天さま!(`・ω・´)
――――嫌な予感がしますね……。ですが、ずんねえさまはあの様子だし……。
(*'ω'*)(*'ω'*)(*'ω'*)ワクワク
『おそとの公園に、お店の準備をしておいたんだにゃあ!(o'∀'o)ノ もうお客さんも呼んであるから、一緒に行くにゃ!』
『二人とも! であえであえにゃ!』
おーっ!ヽ(≧▽≦)ノ
――――と、いうわけで。
イタコ姉さま、ずん子、きりたんは、「お店」があるという公園までやって来ました。
――のは、良かったんですけどねぇ……。
弓を構えて、きりりと立つずん子。
その背中側から、イタコ姉さまが集めたという「お客さん」たちの、野太い怒号が響きます。
やれ「負けるな!」だの、やれ「頼むでしかし!」だの、やれ\ずん子ちゃーん!/だの……。
その背中側から、イタコ姉さまが集めたという「お客さん」たちの、野太い怒号が響きます。
やれ「負けるな!」だの、やれ「頼むでしかし!」だの、やれ\ずん子ちゃーん!/だの……。
ずん子の仕事は、矢尻にずんだをくっつけて、10メートルほど先に並ぶお餅めがけて射るだけです。
『ちょっと強引にずんだ餅を普及させても委員会』会長(現会員一名)の彼女にとっては、いつもやっていることですから、とりたてて、緊張することもありません。
ただ、一点――。
『ちょっと強引にずんだ餅を普及させても委員会』会長(現会員一名)の彼女にとっては、いつもやっていることですから、とりたてて、緊張することもありません。
ただ、一点――。
――急に切り餅に番号を振ったと思ったら……そういうことですか。
お餅が6個ずつ×6本の円盤に貼り付けられて、回転していることを除けば。
やぁっ!(バシュ
ちゅっちゅーん! 5番目の数字は4ですわー(ノ▽〃)! これで1の桁から6, 2, 2, 1, 4ですわよ!
ずんだ餅化した切り餅に書いてあった番号を、素に戻ったイタコ姉さまが読み上げます。
すると、ずん子の背後にいた「お客さん」から地鳴りのような怒声、歓声、悲鳴が聞こえてきて――彼女の額に、嫌な汗が流れました。
すると、ずん子の背後にいた「お客さん」から地鳴りのような怒声、歓声、悲鳴が聞こえてきて――彼女の額に、嫌な汗が流れました。
――ロ○6じゃないんですから……。
ど、どうしようきりたん……( ゚ω゚;) 私、恨まれてないかな?
大丈夫ですわ! 賭け金も大したことありませんし、みなさんエンタテインメントとして楽しんでらっしゃるわよ! ささ、ずんちゃん、ラスト一発!
そう言って無邪気な笑顔でずん子の背中を押すイタコ姉さまの懐には、胴元として稼いだ賭け金が没収されて重たそうに揺れています。
ずん子とは一線を画す豊満なバディが自慢の彼女が身体を震わせると、異質な質量が三個、ぷるんぷるんじゃらんと上下するのです。
ずん子とは一線を画す豊満なバディが自慢の彼女が身体を震わせると、異質な質量が三個、ぷるんぷるんじゃらんと上下するのです。
賭博場と化した公園の熱気にあてられて、きりたんはふらふらになっています。
もちろん、ずん子にとっても慣れない雰囲気ではありますが、これも家計のため、我が夢のため。
それに、恵比寿さまのお導きなのですから、しっかりと責任を持ってやり遂げなければなりません。
もちろん、ずん子にとっても慣れない雰囲気ではありますが、これも家計のため、我が夢のため。
それに、恵比寿さまのお導きなのですから、しっかりと責任を持ってやり遂げなければなりません。
さあさあ! 最後の矢が放たれますわよ! ご覧くださいな、この射手の立ち姿! 胴がすらっとそびえてまるで一枚の絵画のようですわ! 本日の射手を見事に務めてくださった我が妹に、餞別のカンパを!
ちょ(〃ω〃)……姉さま! 恥ずかしいからやめてください!
照れる姿も可愛らしいですわ! まさに……まさに、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花! 将来日本のずんだ界を背負って立つ女、東北ずん子ちゃんの写真集は一冊三千円!
今お買い上げの方には、本日限定! ずん子ちゃんお手製ずんだによるずんだ餅もおつけいたしますわ! 愛情篭めて毎日作っている数量限定のずんだ餅! ぜひ今! ここで! ご賞味あれ!
~~~~~(*ノェノ)!!!
褒められて満更でもないずん子でしたが、さすがにアイドル扱いは恥ずかしくってたまらないのです。
彼女は頭が真っ白になって、イタコ姉さまと観客たちとの取引現場も直視できず――ただ弓を構えて、静止していました。
彼女は頭が真っ白になって、イタコ姉さまと観客たちとの取引現場も直視できず――ただ弓を構えて、静止していました。
ずん子ちゃんは今日も、家計の逼迫と枝豆の不足を補うべく、みなさんの前に勇気を持って立ってくれているのですわ! まだ若いでしょうに、ものすごく苦労されているのです! 彼女を応援したいという方は、このカンパ箱にちゅちゅっとご援助を!
じゃらり、じゃらりとお金の落ちる音が聞こえます。
「お客さん」たちはカンパ箱を持って動き回るイタコ姉さまに対して、「ずん子ちゃんにはいつも世話になってるからなあ」とか、「息子をよろしくな!」とか、不思議な感想を漏らしていますが、ずん子はそれどころじゃあありません。
「お客さん」たちはカンパ箱を持って動き回るイタコ姉さまに対して、「ずん子ちゃんにはいつも世話になってるからなあ」とか、「息子をよろしくな!」とか、不思議な感想を漏らしていますが、ずん子はそれどころじゃあありません。
――はあ……。
同じく、疲れ切ったきりたんが盛大に溜息をつきます。
こういうモードになってしまったイタコ姉さまはしばらく止まりませんから、ずん子もしばらくぼーっとしてようと決意して――。
こういうモードになってしまったイタコ姉さまはしばらく止まりませんから、ずん子もしばらくぼーっとしてようと決意して――。
……あれ?(;゚∀゚)
――ようやく気付いたようですね、ずんねえさま。
姉さま、なぜ枝豆が無くなったことをご存知なんです?(;゚∀゚)
ぐらり、と世界が歪みました。
それに合わせて、「お客さん」たちにもバチバチとノイズが走ります。
あまりにも分かりやすいイタコ姉さまの動揺に、さすがのずん子と言えども、ある種の確信を抱きます。
それに合わせて、「お客さん」たちにもバチバチとノイズが走ります。
あまりにも分かりやすいイタコ姉さまの動揺に、さすがのずん子と言えども、ある種の確信を抱きます。
もしかして……(`・д・´)
でっ……ですわε=ε=ε= ┌(;´゚ェ゚)┘! ちゅちゅっと参上ですわ! え……恵比寿さぁ~ん!
ずん子がじりっと歩み寄ると、イタコ姉さまは目に見えて狼狽し、後ずさりして、天に向かって両手を突き上げると――劇場版ドラ○もんのタイトルコールのようにそう叫びました。
『あたし……いや、儂の助言があったからこそじゃよ、あははは……』
イタコ姉さまは額に浮かぶ冷や汗を拭いながらそう答えます。
なぜか、「お客さん」からも、「そーだそーだ!」という野次が飛んできます。ですが、もう騙されませんでした。
なぜか、「お客さん」からも、「そーだそーだ!」という野次が飛んできます。ですが、もう騙されませんでした。
『ちゅっ!? ……じゃなかった、にゃっ!?』
ずん子が金色の瞳でじっと見つめると、イタコ姉さまは観念したように肩を落とします。
姉さまは彼女のこの目に弱いのです。
野次を飛ばしていた「お客さん」たちも、どこか寂しそうなようすで、頭の裏を掻いていました。
姉さまは彼女のこの目に弱いのです。
野次を飛ばしていた「お客さん」たちも、どこか寂しそうなようすで、頭の裏を掻いていました。
あ、いえ……ほら、交霊した昔の偉人さんたちが、お酒を飲みたいと言い出しましてですね?
――タコさん、未成年でしょう。
そ、そう! そうですわ! ですから気分だけでも、と思いまして、冷蔵庫におつまみになりそうなものがないか調べたんですのよ。そうしたら……。
私の枝豆さんたちが……(´ω`;)。
――おあつらえ向きに茹でて冷凍してあった、と。
姉さまは気まずそうに目を逸らして、頬を掻きます。
そんな姉さまを見て、次にがっくりと肩を落としたのは、ずん子の方でした。
そんな姉さまを見て、次にがっくりと肩を落としたのは、ずん子の方でした。
ずんだにしてあげられなかったのは残念ですが、枝豆さんたちは普通に食べてもおいしいですし、家出されたわけじゃないだけ、喜ばしいというものです。
ずん子はそう考えて顔を持ち上げると、しんみりしているイタコ姉さまに微笑みかけます。
ずん子はそう考えて顔を持ち上げると、しんみりしているイタコ姉さまに微笑みかけます。
ええと、それは構わないですよ((´∀`*))。
……ほ、ほんとですの!?
だって、幽霊さんだし……(;´・ω・)。
あ……ありがとですわ、ずんちゃん! さすが自慢の妹ですわ!
姉さまの顔がぱあっと輝くと、「お客さん」たちからも\ありがとー!/\さすがずん子ちゃんだー!/という調子のいい声が飛び交います。
その声を聞いていると、どうしてか、ずん子の脳裏に懐かしい感情が芽生えるのでした。
その声を聞いていると、どうしてか、ずん子の脳裏に懐かしい感情が芽生えるのでした。
(あの人たちの声、どこかで聞いたことがあるような……?(´・ω・`))
――で、家計費使い込みの件は。
ちゅっ∑(゚д゚;)!?
ですが、ずん子の感傷もそこまで。彼女の脇の下をくぐるように、ずいっと顔を出したきりたんの一声によって――再び、世界に雷が落ちたのです。
え∑(゚ω゚ノ)ノ!? それも姉さまなんですか!?
――でないと、あんなに必死になってお金を稼ごうとはしないでしょう……。いくらタコねえさまといえども。
しっかりしてください、と、なぜかずん子まできりたんに怒られてしまいました。
確かに、枝豆さんが家出したわけではないとなると、ましてや諭吉さんが、家出するはずないですよね。
確かに、枝豆さんが家出したわけではないとなると、ましてや諭吉さんが、家出するはずないですよね。
あ、あはは(ノ▽〃)……。なんでだろうね。お客さんたちの声を聞いていたら――なんとなく、そう思っちゃって。
……って、あれ?∑(゚д゚*)???
きりたんに怒られながら、ずん子が「お客さん」たちの方に目をやると――、彼らはどこへ行ったのか、足跡一つ残さずにどこかへ行ってしまっていました。
だらだらと汗をかいているイタコ姉さまも、彼女を追及しているきりたんも気付いていないようでしたけど。
だらだらと汗をかいているイタコ姉さまも、彼女を追及しているきりたんも気付いていないようでしたけど。
(えへへ(*´∀`*) 姉さま、そういうことですか……。あの人たち、姉さまが呼んだんですね!)
ずん子にも詳しいことは分かりませんが、「お客さん」たちは、恐らく、イタコ姉さまの降霊術で招いた枝豆の霊かなんかだったのでしょう。彼女が動揺するたびに彼らにノイズが走ったのは、そのためです。
事情を理解したずん子がほっこりとしているかたわらで、イタコ姉さまときりたんの問答は進んでいます。とはいえ、もう、大勢は決してしまっているようです。
しっ、しかし! ほら、生活費はこうして稼ぎなおしましたし!(ジャラジャラ
イタコ姉さまは胸を張って、第三の膨らみを思い切り上下させます。
和服の下に隠れていて総額は掴めませんが、ちらっと覗く中のお札の枚数や、重そうな硬貨の音を鑑みても、生活費二ヶ月分くらいの稼ぎはありそうです。
和服の下に隠れていて総額は掴めませんが、ちらっと覗く中のお札の枚数や、重そうな硬貨の音を鑑みても、生活費二ヶ月分くらいの稼ぎはありそうです。
――あ、おまわりさーん。
――それは、一瞬の出来事でした。
きりたんが腕をふーらふーらと振って強面(なのにすごい笑顔の)お兄さん二人を呼び込むと、イタコ姉さまは口をぽかんと開けて硬直してしまいました。
顔中に冷や汗をダラダラ流して交霊を始めようとする姉さまでしたが、爽やかスポーティな笑顔にがっしと両腕を掴まれ――。
顔中に冷や汗をダラダラ流して交霊を始めようとする姉さまでしたが、爽やかスポーティな笑顔にがっしと両腕を掴まれ――。
『にゃっ! にゃぁあっ! 吾輩は猫であるぞ! 私に狼藉を働いたら許さにゃああああっ!?』
消えていく断末魔。今日初めて笑ったきりたん。
ずん子は呆気にとられていて、まだ小学生の彼女の腕の中に、『ずん子写真集』が大事そうに抱きかかえられていることに、気付く余裕がありませんでした。
ずん子は呆気にとられていて、まだ小学生の彼女の腕の中に、『ずん子写真集』が大事そうに抱きかかえられていることに、気付く余裕がありませんでした。
お姉さまあああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?Ε=ε=ε= ┌((( ;゚Д゚)))┘
――その後、なぜか釈放されたお姉さまは、お金が入っていたはずの着物の袖に大量の枝豆の殻を抱えてドヤ顔で帰宅。
しかし、不満そうなきりたんによって一ヶ月間ご飯抜きの刑に処せられちゃいましたけど――それはまた、別のお話。
しかし、不満そうなきりたんによって一ヶ月間ご飯抜きの刑に処せられちゃいましたけど――それはまた、別のお話。
――第1話・おわり――
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