Call to Call Ep1-3
ボイスロイドが出ない回でも、ボイスロイドタグはつけてもいいものか。
「ふむ、雑魚(ざっこ)が掛かったか。」
ゆかりから電話の内容を聞いた私は、書類を見ながら、答えた。
しばらく視線を感じて、顔を上げると、報告に来た若衆は、納得の行かない顔をしている。
ゆかりから電話の内容を聞いた私は、書類を見ながら、答えた。
しばらく視線を感じて、顔を上げると、報告に来た若衆は、納得の行かない顔をしている。
「親父、お嬢に若いの2~3人向かわせますか?」
恐る恐る言う若衆を見てやっと合点がいった。
それなりに長い間うちにいるが、まだ”組長の娘が狙われる”という体験はしていなかったか。
それなりに長い間うちにいるが、まだ”組長の娘が狙われる”という体験はしていなかったか。
「もともと撒き餌として出しているのだ、雑魚(ざっこ)が掛かったらといって、焦って竿を引き上げるものではない。」
「し、しかし、お嬢にもしものことがあったら、まだ大学生の時分では」
「結月組の家訓、忘れたか?身内であろうと、女であろうと、結月を名乗るってのは、そういうことだ。
第一、この程度の事はゆかりにとって、初めての経験ではない。」
第一、この程度の事はゆかりにとって、初めての経験ではない。」
「ど、どういうことで?」
「東京でそれなりに影響力を持つヤクザ組長の娘が、誘拐や恐喝と無縁なわけ無いだろ、少しは頭を使え。
当然あいつには、それに対する処世術は子供の頃から実践を伴って教えこんでいる。
チンピラ程度で、くたばるようなら、俺の育て方が甘かったってことだ。」
当然あいつには、それに対する処世術は子供の頃から実践を伴って教えこんでいる。
チンピラ程度で、くたばるようなら、俺の育て方が甘かったってことだ。」
PCの画面に目を戻すと、ツイッターのタイムラインの進みが早い。スクロールしていくと、歌舞伎で爆発事故が起きたらしい。
何か燃えたわけではないが、何人か路上で倒れていると。
先ほどからのタイムラグを考えれば、ゆかりが何かした可能性が高いな。
全く、もっとスマートにできないものか。
何か燃えたわけではないが、何人か路上で倒れていると。
先ほどからのタイムラグを考えれば、ゆかりが何かした可能性が高いな。
全く、もっとスマートにできないものか。
GPSシステムを起動すると、丁度事件現場近くに光点があった。電話ソフトを起動して、通話ボタンを押す。しばしのコール音の後、応答があった。
「ご無沙汰しております、東北先生。結月重三(ゆづきしげぞう)です。」
「ご無沙汰しております。怪我人の搬送でしょうか?」
「いえ、今回は別件でして、近くで騒ぎなど起きておりませんか?」
「なるほど、私の位置に関してはご存知でしたね。ここからでも見える位置に人だかりは出来てますよ。」
「では、申し訳ございませんが、”通りすがりの善意の医者”として、処置をお願い致します。代金は追加も含めてこちらが持たせて頂きます。」
「……分かりました。結果が分かりましたらご連絡させて頂きますね。」
「では、よろしくお願い致します。」
「今の方、高名な医者の方ですかい?」
通話を切った若衆が訪ねた。
私は首を振り、
「東北先生は、腕は良いが、診療所の町医者だ。」
というと、若衆は訝しげな顔をした。
私は首を振り、
「東北先生は、腕は良いが、診療所の町医者だ。」
というと、若衆は訝しげな顔をした。
「でしたら、親父が敬語使うほどの相手では」
「いいか、俺は金と組織の力で色々動かせる身分ではある。
だが、斬られたり、撃たれたりすれば治療をしてもらわないと死ぬ。お前も、俺も、そこに例外は無い。
治療は誰でも出来る訳じゃねェ。医者ってのは数少ない、それが出来る人間だ。
だからちゃんとした医者には、敬意は払っておけ。」
だが、斬られたり、撃たれたりすれば治療をしてもらわないと死ぬ。お前も、俺も、そこに例外は無い。
治療は誰でも出来る訳じゃねェ。医者ってのは数少ない、それが出来る人間だ。
だからちゃんとした医者には、敬意は払っておけ。」
「へ、へい。肝に銘じておきます。」
手で行っていいと合図すると、若衆は出て行った。
一転して静かになった部屋に、キーボードを打つ音がやけに響く。
まだ盤面は序盤の展開だ。落ち着いて行くとしよう。
一転して静かになった部屋に、キーボードを打つ音がやけに響く。
まだ盤面は序盤の展開だ。落ち着いて行くとしよう。