ダウナー系ボイスで大好評の東北きりたんボイスロイド発売!――東北ずん子小説日常編21【きりたん外伝】
鳥取地震で被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。
今回はとあるフリー素材を使用させていただきました!(「いらすとや」さんでゎなぃ)
秋田県に特化したフリー素材集なんてあるんですねえ。ピンポイントですねえ。
http://akitanoillust.web.fc2.com/top.html
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(――10月中旬、東北家・居間――)
――……はあ……(ピコピコ
タコねえさまとつるぎさんが言い争っています。
議題は「ドラマやアニメで一番大事なのはなにか」のようです。
議題は「ドラマやアニメで一番大事なのはなにか」のようです。
……あ。みなさんこんにちは。東北きりたんです。
今日はわたしがナレーター役を仰せつかったのですが――、
今日はわたしがナレーター役を仰せつかったのですが――、
特にやる気はありません。
なぜかって?
当然です。我が最愛の姉、ずんねえさまがバイト中でいないからです。
当然です。我が最愛の姉、ずんねえさまがバイト中でいないからです。
というわけで、わたしはふたりの口論をよそにゲーム中なのでした。
ストーリーあってこそのキャラでしょう!?
あたしがずんちゃんを売り出すときも、テーマとストーリーとセットでPRしてますわ!ヽ(*`皿´*)ノ
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「「ぬぬぬ……!!」」
――…………(ピコピコ
よし。さらば実証で白黒をつけよう。
望むところですわ!
――あたしのイタコパワーを!O(*`ω´*)o
我が妖刀に纏わせて――!
(――うるさいなあ……)
まあ、わたしには関係のないことです。ゲームたのしい。
――きりたんくん!
――……え?
失礼!(ズバアアアァァァッ
――ええっ……!?
そんなことを思っていたら、唐突につるぎさんが斬りかかってきました。
妖力だけで作られた実体のない刃なので、別に痛くもなんともありませんでしたが――、
妖力だけで作られた実体のない刃なので、別に痛くもなんともありませんでしたが――、
異世界転生ものを楽しんできてくださいですわ!!(≧∀≦)ノ
中立な立場で判定を頼む。
――くらっと、意識が遠のいて。
(ふざけないでください……!)と文句を言う暇もなく。
わたしは、異世界転生をしたのでした。
わたしは、異世界転生をしたのでした。
――東北ずん子小説・日常編 21話――
(――異世界・水の中――)
ドボンと。
わたしは、転生するやいなや深い水たまりに落ちました。
――ちょ、がぼがぼがぼっ!
やばい。溺れる――。
そう思った時でした。
そう思った時でした。
ヘイヘーイ! YOU掴まっちゃいなよ!!
――え!? は、はい!
どこからか聞こえてきた声に向かって、わたしは手を伸ばします。
声の主はわたしの手を取ると、一気に引き上げてくれました。
声の主はわたしの手を取ると、一気に引き上げてくれました。
――ふう……。
うぇーい。おぼれかけ乙ー!
(――女性の声……はっ!?)
わたしは気付きました。
異世界転生もので一番最初に会う人間といえば、もちろん旅をともにするヒロイン。きっと、声の主もかわいい女の子に違いありません。
異世界転生もので一番最初に会う人間といえば、もちろん旅をともにするヒロイン。きっと、声の主もかわいい女の子に違いありません。
しかし――わたしには、すでにヒロインがいるのです。
そう、ずんねえさまというヒロインが!
そう、ずんねえさまというヒロインが!
うぃーっす。突然降ってくるなんてマジラピュタ系?
目の前にいたのは、米粒でした。
文字通り米粒なのです。米粒が喋っているのです。
わたしは混乱するほかありませんでした。小学五年生ですから。
わたしは混乱するほかありませんでした。小学五年生ですから。
ウチに何か用?
あ、自分、秋田小町ってんだけどー。
あ、自分、秋田小町ってんだけどー。
――……あきたこまち。
うぇーい。
わたしは精神力で心を落ち着けました。
周りを見回してみると、金色に色づいたたくさんの稲穂が頭を垂れています。
ここは田んぼで、さっき落ちたのは田んぼのそばの水路で――そして、わたしは稲の半分以下のサイズに小さくなってしまっているようでした。
周りを見回してみると、金色に色づいたたくさんの稲穂が頭を垂れています。
ここは田んぼで、さっき落ちたのは田んぼのそばの水路で――そして、わたしは稲の半分以下のサイズに小さくなってしまっているようでした。
――ええっと、ちょっとおたずねしたいんですけど……。
ゲーム脳のわたしは、とりあえずこの異世界転生もののクリア条件を探ろうと思いましたが――
\ズシーン/
っ、隠れるっしょ!!
――え?
その言葉は、何者かの大きな足音によってかき消されました。
わたしの手を引いて稲の隙間に潜り込むこまちさん。何か巨大な脅威が迫ってきているようです。
わたしは冷静に推測しました。
この世界は、タコねえさまとつるぎさんの意思で送り込まれた世界。
つまり、あのふたりの深層心理の影響を必ず受けているはず。
そして、ふたりが最近観て、ハマっていた映画といえば――!!
この世界は、タコねえさまとつるぎさんの意思で送り込まれた世界。
つまり、あのふたりの深層心理の影響を必ず受けているはず。
そして、ふたりが最近観て、ハマっていた映画といえば――!!
――まさか、ゴジr
<コケエエエエエエエエッ!!
――……比内地鶏だこれ……。
うぇっ!?
YOU、アイツんこと知ってるん!?
YOU、アイツんこと知ってるん!?
小町さんは驚いていますが、わたしは確信していました。
淡泊な味わいで噛めば噛むほどにおいしい――秋田県の比内地鶏です。
天然記念物の比内鶏とは違う生き物なんです。特徴的なトサカと鮮やかな羽毛、間違いありません。
淡泊な味わいで噛めば噛むほどにおいしい――秋田県の比内地鶏です。
天然記念物の比内鶏とは違う生き物なんです。特徴的なトサカと鮮やかな羽毛、間違いありません。
(――しかし、いまのわたしと比べると、五倍くらいの身長ですか。
こうして見ると、恐竜にしか見えませんね……)
こうして見ると、恐竜にしか見えませんね……)
コケッ(地面をつつく)
――うわあ!(ドーン!!
比内くん(と呼ぶことにしました)がエサを探して地面をつつくだけで天変地異ものです。
わたしはつい反射的に「きりたん砲」を放ってしまいました。
わたしはつい反射的に「きりたん砲」を放ってしまいました。
……コケッ?
「きりたん砲」から撃ち出されたお味噌は遠くに着弾しました。
比内くんはそれがエサの落ちた音だと思ったのか、ズシーン、ズシーンとそちらへ去って行きました。
比内くんはそれがエサの落ちた音だと思ったのか、ズシーン、ズシーンとそちらへ去って行きました。
おおっ、マジすっげえ! アイツを追い払いやがった!!
――鳥頭で助かりましたね。
うおおおっ!
熱烈☆歓迎ッ! 異世界ウーメェェェェン!!
熱烈☆歓迎ッ! 異世界ウーメェェェェン!!
(――うわっ、ウェイ系だ……)
一番苦手なタイプでした。
アタシたちが組んだらサイキョーじゃね? 一緒にアイツ倒さね?
――えっ、いやです。
ウィッ!?
わたしは反射的に断りました。
ずんねえさまならいざ知らず、わたしは巻き込まれ系主人公を務めるつもりはありません。
働いたら負けです。ウェイ系苦手だし。
ずんねえさまならいざ知らず、わたしは巻き込まれ系主人公を務めるつもりはありません。
働いたら負けです。ウェイ系苦手だし。
そ、そう言わずに組もうぜー。ほら、記念に米酒で乾杯ー! うぇーい!!
――……わたし、小学五年生なんですけど。
うぇいうぇいうぇーい。ノリ悪くねー? うりうりー?
……ほらほらー、うぇーい。
――……。
うぇーい……(ウルウル
――……はあ……。
わたしは溜息をつきました。
世の中にはどうしてこう、大人げない大人が多いんでしょうね……。
世の中にはどうしてこう、大人げない大人が多いんでしょうね……。
――……何をやればいいんですか……。
!!!!
うぇーい、マジ神!!
とりま一発、飲みで打ち解け合いますか!!
うぇーい、マジ神!!
とりま一発、飲みで打ち解け合いますか!!
――いや、やるべきことだけ、要点を絞って教えてください……。
ういっす! 自分をその激マブ砲の弾にして撃ってください!!
――は?
アイツの口の中にウリャオイして、中からズタズタにしてやっぞーー!!
一寸法師作戦だオラッ!!
一寸法師作戦だオラッ!!
(――ああ、スポ根系作戦だ……)
わたしが会話だけで疲れ切ってしまっていると、小町さんは「うおおおおおおお!!」と駆け出して、比内くんを煽り始めました。
うぇいコラ!! テメー誰の許可もらってうちのシマに来てんだオラッ!! このクソ雑魚トサカ頭ー!!
コケエエエッ!?
――何やってんですか!?
比内くんは怒りました。
トサカを真っ赤にして、ズドドドドドドド!! とこちらに走ってきます。
トサカを真っ赤にして、ズドドドドドドド!! とこちらに走ってきます。
\コッケエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!/
バーカバーカ! 異世界の勇者様の前にひれ伏せー!!
……んじゃ親友! あとは頼むぜうぇーい!!
語彙少なく煽って、こまちさんは「きりたん砲」に潜り込んでいきました。
ただの虎の威を借る狐、いや米です。もうお酒が飲める歳のはずなのに、なんて無責任な行動でしょう。
ただの虎の威を借る狐、いや米です。もうお酒が飲める歳のはずなのに、なんて無責任な行動でしょう。
\コケアアアアアアアアアアアああああああッ!!!!/
――ひっ……!
比内くんはわたしの「きりたん砲」を食べ物だと認識したようで――あんぐりとくちばしを開いて、わたしに覆い被さるように食しに来ました。
わたしは「きりたん砲」をぶっぱなしました。
っしゃオラアアアアッ!!
コケッ!?(ゴクン
「きりたん砲」から、お味噌でコーティングされたこまちさんが飛び出し、狙いどおりに比内くんのくちばしの中へ飛び込むと――、
……(もぐもぐ)
<ぎゃああああああ…………。
――普通に食べられてしまいました。
(――か、帰りたい……)
哀れ、あきたこまちさん。
そんな感傷に浸っている暇はありません。
その鳥頭で「きりたん砲」をつつけば味噌と米が飛び出す装置だと認識したのか、比内くんは再び、わたしに狙いを定めてきました。
そんな感傷に浸っている暇はありません。
その鳥頭で「きりたん砲」をつつけば味噌と米が飛び出す装置だと認識したのか、比内くんは再び、わたしに狙いを定めてきました。
コッケエエエエエエエエエッ!!
(――あ、死んだ……)
そうか、これはいま流行りの「死に覚え系」の異世界転生ものか。
『ゼロから始める』やつか。
次はちゃんとフラグ管理しよう――。
『ゼロから始める』やつか。
次はちゃんとフラグ管理しよう――。
――と、そんな走馬燈が走ったとき。
――コケッ!?
突然、比内くんの動きが止まり――、
コッコッコ……コケガラダシイイイイイイイィィィィ!!!!
と絶叫して、爆発。
あたりがまばゆい光に包まれたかと思うと――一面に黄金色のスープの海が広がったのでした。
あたりがまばゆい光に包まれたかと思うと――一面に黄金色のスープの海が広がったのでした。
わたしは背中のきりたんぽを浮き輪代わりにぷかぷか浮きながら、そんなことを呟きました。
<おうい。うちもマジパないイメチェンしたカンジ?
きりたんぽになった小町さんも、出汁の海に浸りながら手を振ってくれています。
まるで「きりたんぽ鍋」です。
生きた比内地鶏から調理して出汁を取って、あきたこまちから作ったきりたんぽが浮かぶ温かい海――そう、これは、『ゼロから作るきりたんぽ鍋』の物語――。
生きた比内地鶏から調理して出汁を取って、あきたこまちから作ったきりたんぽが浮かぶ温かい海――そう、これは、『ゼロから作るきりたんぽ鍋』の物語――。
わたしはゲームクリアを確信して、スヤァと意識を失いました。
(――東北家・居間――)
――……うう……。
お、戻ってきましたわ!!(`・ω・´)ノ
いやいや、あたしのストーリーですわ! ストーリーに必要なキャラをきっちり配置する、完璧な構成ですわ!!(`・ω・´)
帰ってくるなりやかましい声で詰め寄られて、わたしは溜息をつきました。
手元のゲーム画面はゲームオーバーになってしまっています。苦労して進めたのに……。
手元のゲーム画面はゲームオーバーになってしまっています。苦労して進めたのに……。
「「で、どっちだ(ですわ)?」」
ずいっと顔を寄せてくるふたりの「オトナ」。
あきたこまちさんといい、この人たちは人生楽しそうだなあと思います。
あきたこまちさんといい、この人たちは人生楽しそうだなあと思います。
――せ……。
――世界観から練り直しですね……。
――その後、ああだこうだと三人で議論は白熱。なんとかまとまりかけたところでずんねえさまとずんだもんが帰宅し、
「ずんだもちがない!」
と混ぜっ返して深夜まで議論は続きましたが――それはまた、別のお話。
「ずんだもちがない!」
と混ぜっ返して深夜まで議論は続きましたが――それはまた、別のお話。
――おわり――
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