オニちゃんのことなんかぜんぜん心配してないんだからねっ!――東北ずん子小説日常編25
「鬼」にはなんとなく「豆で簡単に撃退できる」「やられ役」のイメージがありますが、地域によってはそうでもありません。
秋田のなまはげがその代表例でしょうか。納得するまで帰ってくれないタイプの鬼です。
子どもに対して「内なる視線」を植えつけ、怠けたり悪行をしたりすると鬼が見てるぞという教訓を伝えるための風習ですから、人間より上位の、恐ろしい存在でないとならないのです。
だから鬼を美少女や美少年にするんじゃないぞ!絶対だぞ!
秋田のなまはげがその代表例でしょうか。納得するまで帰ってくれないタイプの鬼です。
子どもに対して「内なる視線」を植えつけ、怠けたり悪行をしたりすると鬼が見てるぞという教訓を伝えるための風習ですから、人間より上位の、恐ろしい存在でないとならないのです。
だから鬼を美少女や美少年にするんじゃないぞ!絶対だぞ!
(――二月某日・東北家――)
――えっ。二泊三日でお出かけですか。
じゃあ、あたしたちも一緒に……(^ω^)ノ
あ、それでね……本当に申し訳ないんだけど、お願いしたいことがあるの……(´・ω・`)
――?
「大都会」のみんなからずんだ餅の発注があって、明後日の日曜日に解凍したずんだ餅をお届けすることになってるの……(´-_-`)
ちゃんこちゃんたち、まだずんだ餅の解凍があんまりうまくないから、うちで解凍したやつを!
ちゃんこちゃんたち、まだずんだ餅の解凍があんまりうまくないから、うちで解凍したやつを!
なるほど。じゃあ、あたしたちは残ってそのお手伝いというわけですわね∑d(゚∀゚d)
――ですね。ずんねえさまのお役に立てるならうれしいです!
金曜日の放課後。そう言い残して、ずん子は四国へ旅立っていきました。
そして、きりたんとイタコだけの週末が始まったのです。
――東北ずん子小説・日常編 25話――
(――翌朝・東北家食卓――)
――いやー、二日続けてずんだのない食卓なんて久しぶりですね。
言われてみれば……。
ずんだ餅に限らず、なにかしらのずんだ創作料理は毎日食べてますわね( ゚∀゚; )
ずんだ餅に限らず、なにかしらのずんだ創作料理は毎日食べてますわね( ゚∀゚; )
さんせーですわ。
なにもない休日! 最高じゃないですか!ヽ(´▽`)ノ
なにもない休日! 最高じゃないですか!ヽ(´▽`)ノ
――じゃあ、ずんねえさまのぶんの家事の当番を決めますか。
じゃーんけーん……。
じゃーんけーん……。
おおっと!(`・ω・´)ノ
たまのふたりきりの休日、そういう面倒くさいことは全部お姉ちゃんにお任せあれ!
たまのふたりきりの休日、そういう面倒くさいことは全部お姉ちゃんにお任せあれ!
――んん? やけに親切ですね……。
そう言うと、きりたんはあくびをしながら自分の部屋に戻っていきました。
……ふっふっふ……(´ε` )
(――きりたんの部屋・前――)
イタコは息を潜め、きりたんの部屋の扉をそっと開きました。
カメラを使った覗き見はずん子に何度も叱られてやめたようです。
カメラを使った覗き見はずん子に何度も叱られてやめたようです。
(さーて、今日のきりちゃんは……)
――……すー、すー……。
(寝てるー!?(ガビーン
夜型なのは知っていましたけど、こうもためらいなく寝るようになっていたとは……!)
夜型なのは知っていましたけど、こうもためらいなく寝るようになっていたとは……!)
(し、しかし……いくら休日とはいえ、朝一から二度寝……うーん……)
(――同日午後、東北家・居間――)
…………。
――…………よし。実績全解放です。
次は……あ、スタミナ消化しないと。
次は……あ、スタミナ消化しないと。
…………(゚ω゚; )
きりたんは寝癖を直すでもなく、こたつで寝っ転がって延々とゲームをしていました。
きりちゃん、友達とお出かけの予定とかは……?( ;´∀`)
――19時からco-opで新エリアの遺跡へ。
……。
う、運動は!? ちょっとは体を動かさないと……。
う、運動は!? ちょっとは体を動かさないと……。
――毎日してますよ。案外、ゲームには運動能力や動体視力も必要ですからね。
(友達=「ゲームのフレンド」、
お出かけ=「オンラインプレイ」、
運動=「ゲームスキルのため」になってる……ヽ(゚Д゚; )ノ)
お出かけ=「オンラインプレイ」、
運動=「ゲームスキルのため」になってる……ヽ(゚Д゚; )ノ)
――ふあぁ……(カチャカチャ
(――同日夜、東北家・お風呂――)
うーん……。想像以上の引きこもりっぷりですわね……( ;^ω^)
湯船の中。イタコは頭を抱えていました。
なお、きりたんはco-op中です。
なお、きりたんはco-op中です。
あたしのせいですわ……。
あたしがずんちゃんにかまけてばっかりで、きりちゃんに構ってあげなかったせいで……・゚・(。>д<。)・゚・
あたしがずんちゃんにかまけてばっかりで、きりちゃんに構ってあげなかったせいで……・゚・(。>д<。)・゚・
……よし。
と、イタコは深く頷くと――、
きりちゃんの引きこもり気質を治すために――あたしは鬼になりますわ!!ヽ(*`皿´*)ノ(ザバァ
そう、力強く宣言しました。
(――翌朝――)
――で、起きたら本当に鬼になってしまっていたと。
――その語尾はまずいですよ……。
じゃあ「だっちゅ」で……。
イタコの狐耳が角にとって代わり、長い髪の毛もどこかゴワゴワとしています。
どうやら、寝ている間に鬼を降霊してしまったようです。
どうやら、寝ている間に鬼を降霊してしまったようです。
――…………(じーっ
だっちゅ?
――ふんす!(ガシィ
その角をじいっと見つめ、きりたんは、唐突にわしづかみにしました。
ちゅあっ!? 痛い痛い痛いっちゅ!!・゚・(。>д<。)・゚・
――……ちっ。本物ですか……。
うう……。いきなりどうしたっちゅ?(´;ω;`)
あっ……( ;・∀・)
(きりちゃんがスレた理由の一端を見た気がするっちゅ……)
――でも、普通に理性残ってるっぽいですね。実害もないし、しばらく放置していれば治るんじゃないですか?
そんな既読無視みたいな……。゚(。>ω<。)゚。
ほら、これを見るっちゅ!
ほら、これを見るっちゅ!
イタコは解凍するために取り出してあった「大都会」用のずんだ餅をひとつつまみあげます。
いや、正確には「つまみ上げようとした」のですが――。
いや、正確には「つまみ上げようとした」のですが――。
――バキッと、ずんだ餅は粉々に砕けてしまったのでした。
――おお。
ちょっとつまもうとしただけなのにこの力だっちゅ!
こんなんじゃ日常生活送れないっちゅ!ヽ(゚`Д´゚)ノ
こんなんじゃ日常生活送れないっちゅ!ヽ(゚`Д´゚)ノ
――た、確かに……。
――じゃあ、ちゃちゃっと治しましょう。鬼退治といえば、まずは豆まきですね。
――よっ……と(ザラザラ
きりたんは自分の「きりたん砲」を取り外して、ふたつの砲門それぞれに大量の落花生(殻付き)を流し込み始めました。
き、きりちゃん……?(゚ω゚; )
――鬼のことなら任せてください。秋田のなまはげも鬼の一種。鬼退治なら慣れたものです(チャキ
と、「きりたん砲」がイタコに向けられました。
ちょ、ちょっと待って!?
なまはげなら退治じゃなくておもてなしじゃ……!?∑(゚ω゚; )
なまはげなら退治じゃなくておもてなしじゃ……!?∑(゚ω゚; )
いたたたたたっ!?!?。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・(ノД`)
ビシビシビシッと、大粒のひょうのように落花生がイタコに直撃しました。
――が、鬼の角は消えません。
――が、鬼の角は消えません。
――うーむ……。
鬼化したことでSTR(力)だけじゃなくてDEF(防御)にもバフ(ステータス上昇補正)がかかっているようですね……。
鬼化したことでSTR(力)だけじゃなくてDEF(防御)にもバフ(ステータス上昇補正)がかかっているようですね……。
完全にゲーム感覚っちゅね……(´;ω;`)
――本当はお酒を飲ませて状態異常にしたいところですけど、うちには料理酒しかありませんし……。
あ、確か「鬼特効」持ちの魚が冷蔵庫にあったような。
あ、確か「鬼特効」持ちの魚が冷蔵庫にあったような。
きりたんは冷蔵庫から鰯を取り出し、それを使ってイタコをぺちぺちと叩きました。
――えいっ(ペシッペシッ
――むう、効きませんね……。
次は……って、柊はないですね。
次は……って、柊はないですね。
鬼を家から遠ざけるものといえば「柊」と「鰯」ですが、実は、東北地方にはこのふたつを飾る風習がほとんどありません。
そもそも、東北では柊が生えていること自体が珍しいですしね。
そもそも、東北では柊が生えていること自体が珍しいですしね。
――うーん……。どうしたものか……。
きりたんは腕組みをして考えこんでしまいました。
(ああっ……! きりちゃんがあたしのために知恵を振り絞ってくれてるっちゅ……! 姉冥利に尽きるっちゅ!。゚(。>ω<。)゚。)
――ぶつぶつ……クリア条件が分からないなんて、ひどいクソゲーですね……ノーヒントでプレイヤーを放り出す系のゲームを懐かしむのもいいですが、やはり基本的なディレクションはしっかりしてくれないと……まるで先日サービス終了したゲームみたいじゃないですか……ぶつぶつ……。
きりちゃん! あたしはいま、心から感動してるっちゅ!(;∀;)
あたしが間違ってたっちゅ!
きりちゃんは更正する必要なんかない……! その優しい心があれば、ちょっと引きこもり気質なくらいどうでもいいっちゅー!
きりちゃんは更正する必要なんかない……! その優しい心があれば、ちょっと引きこもり気質なくらいどうでもいいっちゅー!
――うるさいですね。ちょっとこれ食べててください。
もごっ!?
感涙にむせぶイタコの口に放り込まれたのは、ほどよく解凍されたずんだ餅。
爽やかな甘みともちもちの食感、そして枝豆の香りが口の中いっぱいに広がります。
爽やかな甘みともちもちの食感、そして枝豆の香りが口の中いっぱいに広がります。
すると――、
――え?
――イタコの体が、元に戻っていくではありませんか。
――えええええっ!?
角が消え、髪の毛がしっとりと落ち着き、最後にぴょこんと狐耳が生えてきました。イタコ、完全復活です。
恐るべしずんだのパワー……ですわ……( ;^ω^)
(――数時間後、「大都会」アジトからの帰り道――)
……ずんだ餅を食べなかったせい?(゚ω゚; )
――ええ。毎度おなじみですが、鬼に豆をまくのは「魔滅」に通ずる力があるからなわけです。ずんねえさまの力の由来でもありますし。
つまり、毎日のずんだ食が、妖怪が寄りつきやすいタコねえさまを鬼たちから守っていたんじゃないでしょうか。
つまり、毎日のずんだ食が、妖怪が寄りつきやすいタコねえさまを鬼たちから守っていたんじゃないでしょうか。
でも、落花生の豆まきは効きませんでしたわよ?(´・ω・`)
――鬼は匂いにも敏感です。
魔滅の力に加えて、ずんだ餅の枝豆の香り。
ふたつの効果がダブルで作用して、鬼さんにクリティカルヒットを叩きだしたのでしょう。
魔滅の力に加えて、ずんだ餅の枝豆の香り。
ふたつの効果がダブルで作用して、鬼さんにクリティカルヒットを叩きだしたのでしょう。
な、なるほど……。
つまりずんだは、「豆」の効果と「鰯」の効果を兼ね備えた、対鬼用にハイブリッドな食べ物ということですわね!!O(≧▽≦)o
つまりずんだは、「豆」の効果と「鰯」の効果を兼ね備えた、対鬼用にハイブリッドな食べ物ということですわね!!O(≧▽≦)o
――ですね。
――……。
……え? そうでしたっけ?(棒)
……え? そうでしたっけ?(棒)
なに言ってるんですか。きりちゃんだっていつも言ってることですわよ?(´・д・`)
――いやあ、きおくにありませんねえ……(棒)
いやいやいや!
ほら、この前の「ずんだつけ麺」のときも……はっ!?∑(゚Д゚ノ)ノ
ほら、この前の「ずんだつけ麺」のときも……はっ!?∑(゚Д゚ノ)ノ
イタコは――背後に「鬼」の気配を感じて、振り向きました。
ず、ずんちゃん……((((_('ω';」∠))))
――では、わたしは家に帰って引きこもりますので……(そそくさ
!? きりちゃん!?いまこそ鬼を! この鬼を祓いたまえー!!ヽ(゚`Д´゚)ノ
き、きりちゃああああああああ!?。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・(ノД`)
――その後、イタコは喫茶店に連れ込まれ、過去のずんだ創作料理を一から振り返って意見と改善案を求められましたが――それはまた、別のお話。
――おわり――
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