お姉ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ!
妹ものが多い昨今のアニメ事情。今こそ姉のすばらしさを再確認する刻――とき――ではないでしょうか。多少やんちゃをしても許してくれる包容力、やりすぎてもお仕置きそのものがご褒美で、なんだかんだ言って自分にはちょろいあの「姉」という存在の!!すばらしさを!!
――東北家は、混沌の様相を呈していました。
きりたんがところ構わず「きりたん砲」を乱射し、
ちゅああ!!ヽ(`Д´)ノ うちのずんちゃんはどこにも嫁にやりませんわ!!(コーンコーン
イタコ姉さまが「七尾」の力でもってそれを迎撃し、
うさぎはといえば、二人の流れ弾からずん子たちを守る役目に徹しています。
「きりたん砲」によって撃ち出された砲弾が、『狐火・改――ファイヤーボール・カスタム――』(命名・めたん)と激突して対消滅し、東北家の居間が、焼き味噌の香ばしい匂いで包まれました。
対消滅の際に発生した余剰エネルギーが熱風となり、入口付近に避難しているずん子たちを襲います。しかし、それは所詮、エネルギーの燃えカスにすぎません。彼女の守護精霊である『稻羽之素菟――トットリ・スタバナーイ――』を召霊するまでもなく、うさぎが幣を一振り。
あ、はい!(o'∀'o)ノ 「ずんだの人」って……私のことかな?
――ではここで、ずん子の疑問に答えるために、そらさんが録画したという「本日の記録」を観てみましょう。
(――正午・東北家居間――)
(ナニコレ……( ゚ω゚;) 任侠物映画のワンシーンじゃないんだから……)
………………わたしの故郷では、「受けた恩には必ず報いよ」という銘を是としている。よって、わたしはここに、一旦、あなたとの停戦協定を締結し、ずんだの人からの恩に報いるだけの時間をもらいたい。
声は小さいですが、うさぎは淀みなく語ります。
(や……やったあ!ヽ(≧▽≦)ノ 正直、うさぎちゃんがイタコ姉さま相手に「けじめをつけにきた」って言うから心配してたけど、どうやら何事もなく終わ……)
それは構いませんわ(。・w・。)ゝ とはいえ、「恩に報いる」とは、具体的に何を……。
ほ……ほう……プルプル(((#゚皿゚)))プルプル その発言の意味は、いったい……。
………………神に仕えることを務めとする巫女の世界では、報いるべき人に対して返せる恩もまた、奉公の他にない。だから、わたしは「伴侶として」全身全霊をかけて妹さんに尽くし、陽から影から彼女を支える柱となる。
ちょっ……ちょっと待っ……∑(゚д゚;)
あまりに突飛なうさぎの提案に突っ込もうとしたずん子でしたが、それよりも早く、躍動した影がありました。
――姉貴!! コイツ都合のいいこと言って、「わたし」からずんねえさまをかっさらってく気ですぜ!!
…………(#゚Д゚)
居間を、一触即発の不穏な空気が包みます。きりたんの「宣戦布告」に対し、うさぎがゆらりと立ち上がったのを見て、末席で引き出物を食べてるだけだっためたんと、常時ニコニコしてるだけだったそらさんが、ずん子の両腕をがっしと捕まえました。
……だ・れ・が……。
……「公私公認の相手」じゃゴラアアアァァァッ!!ヽ(`Д´)ノ ずんちゃんのカリスマは皆のもの!! 特定のお相手を作ったら、あたしのプロジェクトが台無しですわ!!(シュバッ
――……ッッ!?(ガキィン
『妖狐突撃――フォックス・ファイア――』……。案の定、きりたんさんに向かって放たれたわね。彼女がイタコさんの異変に気付くのが一歩遅れていれば、きりたんさんの『米粉氷壁――アイスド・ライス――』による防御は、間に合わなかったかもしれないわ……。
……へ?(;゚∀゚)
ずん子たちの目前で激突した二つの妖力は、ほとんど同じ勢いでもって湾曲し、四方に衝撃波をばらまきます。衝撃波の刃は、任侠映画風にセッティングされていたハリボテの数々を吹っ飛ばすと同時に、ずん子へも向かってきますが――。
――彼女の目の前に仁王立ちしたうさぎによって、呆気なく振り払われました。
………………あの二人はなんで争い始めたの? わたしには理解できない。
――オラオラオラオラァ!! ずんねえさまはわたしの嫁ェ!!(ボカーン
ちゅああ!!ヽ(`Д´)ノ うちのずんちゃんは清廉潔白! そして皆に「夢」を与える存在ですわ!! どこにも嫁にやりません!!(コーンコーン
――と、こんな感じで、冒頭の状況に戻るわけです。
(――二時間経過――)
不毛な争いは、未だ続いていました。
そらちゃん、今の女子高生は竹内ま○やの歌は知らないと思う(;´・ω・)
………………おなかすいた。
あ、ずんだ餅食べる?(=ず・ω・だ=)ノ はい、あーん。
………………あむ。(もぐもぐ
あ、そうだ。他にも方法あるわよ。たった一言でこの争いに終止符を打つことができる『最終兵器――リーサル・ウェポン――』が。そうね……うさぎが言うのが、一番破壊力高いかしら?
めたんはポン、と両手を合わせると、両手で幣を振りながらずんだ餅を咀嚼しているうさぎに近づきます。うさぎは小柄なめたんよりもさらに身長が低いので、囁くときはちょっと屈まないといけません。
………………? それでいいの?
………………じゃあ、言ってみる。
先日の『民衆を導く自由の女神』騒動に協力していためたんです。ずん子同様、彼女にも、うさぎはかなり気を許しつつあるようで――素直にアドバイスを受け入れると、「――うおー!」「ちゅあー!」とか叫びながら相争っているイタコ姉さまときりたんに、か細い声で呼びかけました。
………………あの。イタコの人。それに、きりたんぽの人。
なんですの!?(#゚皿゚)
声は小さいですが、よく通るのでしょう。うさぎは呼びかけに反応した二人の威勢を前に一瞬たじろぎましたが、めたんの自信満々な表情を見て、改めて顔を上げると――
そう――一言だけ、言い放ちました。
(うわあ……(;´・ω・) 考えたくなかったけど、めっちゃ効いてる……)
(聞こえない振りしてる……(;´・ω・) まあ、そらちゃんのは私もイメージできないけど……)
………………まだ、早いの?
えっ?∑(゚д゚;)
………………ずんだの人がまだ、伴侶を持つには早いと言うのなら、わたしも恩返しの方法を考え直さなければならない。
そう言って、ちょこんとずん子の顔を見上げるうさぎの身長は、思った以上に小さく見えました。そう、その佇まいはどこか、「寂しいと死んでしまう」とすら言われている「ウサギ」のそれに似ていて――。
……うん(*´∀`*) まだ、そういうのは早いかな。
……………………そう。
――どうしても、放っておけない。そんな感覚を、ずん子の中に芽生えさせるのでした。
ま、今日もずん子のことをずっと守ってたんだし。『恩返し――エンジェル・ウィスパー――』は完了ということでもいいんじゃないかしら? これからは、貸し借りなしってことで。
どうかな?(o'∀'人) 色々あったけど、全部水に流して……お友達から始めよう! ってことで!
めたんとそらさんも、ずん子の言葉を後押しします。うさぎはそれでも躊躇しているようでしたが、ずん子の笑顔をしばらく眺めているうちに、ゆっくりと、頬を緩めていきました。
やった!ヾ(*'∀`*)ノ じゃあ、改めてよろしくね!
……………………分かった。よろしく頼む。
笑顔は一瞬で消えてしまいましたが、うさぎは自分からずん子の手を取ります。もしかしたら、思っているよりもずっと人懐っこい娘なのかもしれません。
――姉妹は結婚できない……姉妹は結婚できない……ひっ!? ず、ずんねえさま!?
イタコ姉さま?(゚⊿゚) きりたん?(゚⊿゚) なにか言うことは?
「いつものこと」と言ってしまえばそれまでですが、東北家の居間は、味噌だらけの狐の足跡だらけという、怪異でもめったにないような惨状と化しています。ずん子の冷たい視線に射貫かれた二人は、一瞬で、放心状態から立ち直りました。
それに! うさぎちゃんにも一言!ヽ(`Д´)ノ この子が守ってくれなかったら、私も危なかったんだからね!
ぐっ……。きょ……今日のところはいったん、あなたのことを認めてあげますわ!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。 でも覚えておいてくださいな! あなたがずんちゃんに不適格だとあたしが判断した瞬間、停戦協定は破棄しますわよ!
――ふふふ……。うさぎさん、あなたは一つ勘違いをしている。確かにわたしたちは結婚できないかもしれないけれど、世の中にはこういう言葉があるのです! 『お姉ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ!』 ……って、ごめんなさい嘘ウソ冗談ですずんねえさま許して。
は~ん~せ~い~しなさい!!ヽ(*`Д´*)ノゴルァァア!!
――その後、ずん子による二人への説教は苛烈を極め、過去最悪の刑となる「めたん家で一週間サバイバルの刑(その間めたんは東北家にお泊まり)」が科されましたが――それはまた、別のお話。
――おわり―― (※今回もまとめのコメント欄にて感想をお待ちしています! また、まとめのコメント欄にずん子のイラストを投稿してくださる方も募集中です! コメント欄に投稿していただいたイラストに限り、公式から転載させていただく可能性がありますので予めご了承くださいね。)
次回はこちら http://inove.jp/ivsid1419



































