罵倒の言葉がウィットに富みすぎていて相手に伝わらないツンデレヒロイン――東北ずん子小説日常編17
「相手を罵倒する語彙が豊富な人は言語分野の知能が高い」という意外な研究結果が発表されました。
言われてみれば、「ちくしょう、やられた!」と思わせるような罵倒って難しいですよね。直接的すぎる言葉だと感情的に反発されてしまいますし、婉曲的すぎるとそもそも伝わらないしで。
まあ、激しいのがご褒美の人もいるようですが……。
言われてみれば、「ちくしょう、やられた!」と思わせるような罵倒って難しいですよね。直接的すぎる言葉だと感情的に反発されてしまいますし、婉曲的すぎるとそもそも伝わらないしで。
まあ、激しいのがご褒美の人もいるようですが……。
(――ずん子がバイトしているファミレス――)
ませー!
ずん子としのびの元気な声が店内に響きます。
ふたりがバイトしているファミレスは、明るい雰囲気で満ちていました。
ふたりがバイトしているファミレスは、明るい雰囲気で満ちていました。
しかし、その一角にどんよりと重苦しい雰囲気のテーブルがあります。
…………(髪の毛いじいじ)
……なあ。何故我々は集まったんだ?
東北イタコ、北海道めろん、中部つるぎという珍しい三人組が、気まずそうにテーブルを囲んでいました。
ああ、そうだ。最近追いかけているアイドルグループのチケット争奪戦があるから、手伝ってくれないか?
スマホからでも簡単に抽選申し込みができるぞ。
スマホからでも簡単に抽選申し込みができるぞ。
……そのスマホの壁紙の子たちのライブかしら?
いい脚……。
――ストォーップ!! ですわ!!
!?
今日集まってもらったのは他でもない、そういうところですわ!!ヽ(`Д´)ノ
アイドルか?
脚フェチですの?
そう! あたしたちは年上なのに、欲望むき出しすぎるんですわ!!ヽ(*`皿´*)ノ
その結果――
その結果――
ピンポーン。
弾みで呼び出しボタンを押してしまっているのにも気付かず、イタコはがばっと立ち上がりました。
――東北ずん子小説・日常編 17話――
(――引き続き、ファミレス――)
はーい。ご注文お決まりですかー?(・∀・)ノ
ずん子がやってきましたが、三人は真剣に話し込んでいます。
そうですわ! あたしたちに足りないのは、お姉ちゃんらしい立ち居振る舞い!ヽ(`Д´)ノ
いざというときに頼られる威厳!ヽ(`Д´)ノ
いざというときに頼られる威厳!ヽ(`Д´)ノ
総帥に頼られる威厳か。一理あるな……。
だが、「お姉ちゃん力」を高めるには、具体的に何をすればいいんだ?
だが、「お姉ちゃん力」を高めるには、具体的に何をすればいいんだ?
ふむ……。そこまでは考えていませんでしたわ……。
やはりここは年上らしく、寛容さで勝負とか……(´-_-`)
やはりここは年上らしく、寛容さで勝負とか……(´-_-`)
あのー、ご注文は……?( ;´∀`)
!? 寛容さではずんちゃんに勝てませんわ!(`;ω;´)
え、なんの話?(´・ω・`)
ずん子ちゃん。「お姉ちゃん」のいいところってなんだと思います?
経験と落ち着き……。要するに「知的な感じ」ですわね(`・ω・´)
あ、すまないずん子くん。お冷やをもらってもいいか?
えっ、お出ししてませんでした!? すみませんー!!∑(゚Д゚; )
ずん子がパタパタと去って行きます。
……ふむ。知性ねえ……。
知的な感じって、そう簡単に演出できるものではないような……(;∀;)
中身がないとただの痛い子ですわ。
中身がないとただの痛い子ですわ。
入れ替わりにお冷やを持ってきたのはしのびでした。
ほいお冷や……あっ。
ガシャーン。
しのびが手を滑らせて、お冷やがこぼれてしまいました。
すすすいません! 今お拭きするで!
ちょっとー。ライダースーツじゃなかったら弁償ものよー。
! これですわ!!∑(`Д´)
む?
……確かに。相手を罵倒するのには臨機応変な言葉の選び方が求められる。
だからこそ、我々の界隈ではご褒美なのだからな。
だからこそ、我々の界隈ではご褒美なのだからな。
アメとムチを使いこなすのは、女王たるものの資質の一つですしね。
(なに言ってるんやこいつら……)
というわけで、しのちゃん。
へ?
罵倒のボキャブラリーを増やす訓練のお手伝いをお願いいたしますわ。
「しのちゃんがお冷やを運んできたらこぼしてしまった」というシチュエーションで。
「しのちゃんがお冷やを運んできたらこぼしてしまった」というシチュエーションで。
え? え?
はい! じゃあめろん先生からどうぞ、ですわ!(≧∀≦)ノ
(コントがスタートするとノッてしまう……悲しき性だなしのび……)
はあ……。
す、すいませんお客様!
……あら? 何やらわんわんと喚く生き物に水を引っかけられましたね。セミかしら?
うわああああああああっ!?(ビターン
しのちゃーん!?。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・(ノД`)
…………(ピクピク)…………。
す、涼しい顔をしてなんという言葉のキレ……。
まるで刀匠の日本刀のようだ……。
まるで刀匠の日本刀のようだ……。
あら。同じ「大都会」のよしみとして、少し手加減したつもりだったのだけど……。
(言い出しておいてなんですが、これ、本当に「お姉ちゃん力」に関係あるのでしょうか……( ;^ω^))
これ思ったよりキツいわ……。次は絶対やらへんで……。
はい。次はつるぎ、あなたよ。
スタート!
スタート!
はーい!(バッ お冷やお持ちいたしましたー……あっ!(ガシャーン
(しのちゃん、反射的に……・゚・(ノД`)・゚・)
はあ……。
す、すいませんお客様!
……お冷やというのは、どの客にも出すもの。すなわち、最も反復する機会が多い作業ということだ。
ぐわああああああああああっ!?_(:3」∠)_
しのちゃーん!?。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・。* ゚ + 。・゚・(ノД`)
なるほど。正論ラッシュで来ましたか……。これは効果的。
いやいや、めろんに比べるとまだまだだな。
謙遜し合っとる場合か!!
もうやらへん! お前ら身内で回せや!! な!?
もうやらへん! お前ら身内で回せや!! な!?
そうか……。次はイタコさんの番だな。
では、自分がミスする役を務めよう。
では、自分がミスする役を務めよう。
いやいや、私がやります。
つるぎ・めろん「「どうぞどうぞどうぞ!!」」
(しのちゃん……・゚・(ノД`)・゚・)
はーい!(バッ お冷やお持ちいたしましたー……あっ!(ガシャーン
はあ……。
す、すいませんお客様!
……うわー。間抜けですわねー。ええと……、このばか!!
……え、それだけですか?
語彙少ないな……。
ち、違いますわ! 今のは心の準備が……!( ;≧Д≦)
ピンポーン。
立ち上がった拍子に、イタコの手が再び呼び出しボタンに触れてしまいました。
はーい。ご注文お決まりですかー?( ´・ω・)ノ
ご、ごめんなさい、ミスですわ。つい話が盛り上がって……(´;ω;`)
? なんのお話ですか?(´・д・`)
それは、罵倒語が豊富な人が……はっ!?∑(゚Д゚)
むっ!!(キュピーン
もしや……これはチャンスです!!(ガバッ
えっ……えっ?(´・ω・`)
イタコ、しのび、めろんの三人が立ち上がり、ずん子を取り囲むようにして頭を下げました。
ずんちゃん!! あたしを罵ってくださいな!!_(:3」∠)_
えっ!?∑(゚Д゚; )
待て。ここは自分が行こう!_(:3」∠)_
ええっ!?∑(゚Д゚; )
いえ、ここはあたしが。その脚に跪きます!_(:3」∠)_
(え、これ、そういう流れ?)
イタコ・つるぎ・めろん「「「ぐぬぬ……!!」」」
じゃ、じゃあ、うちが……。
しのび!(バシィ
これはダチョウ倶楽部ではない!!
これはダチョウ倶楽部ではない!!
ぐえー!! 理不尽や!!
きりたん!? 一体どこから……?( ゚∀゚; )
……あい分かった。これは決闘しかあるまいな……!!
全員表に出なさい! ずんちゃんに罵られる権利を賭けて勝負ですわ!!(# ゚Д゚)
分かりました! 手加減はしませんからね!
――望むところです!!
――その後、ずん子も他人を罵倒するのが苦手なことが分かり、「やっぱりあたしとずんちゃんは姉妹ですわ!!」と、珍しくイタコが大勝利しましたが――それはまた、別のお話。
――おわり――















