社会人になって分かる深夜アニメリアタイのために睡眠削るキツさ――東北ずん子小説魔法少女編:第5話
社会人と言っても色々な職業がありますが、とにかく仕事のコアタイムが決まってくると、自ずと生活習慣も定まってきます。そして、本来ならば寝ているべき時間に放映されるアニメをリアルタイムで見るために「寝溜め」したり、徹夜したりすることがどんどん困難になっていき――あーやだやだって感じですね。
まあ、その分ストーリーなどが骨身にしみるようになるところがありますし、一本一本をじっくり味わう方針も乙なものですね。
まあ、その分ストーリーなどが骨身にしみるようになるところがありますし、一本一本をじっくり味わう方針も乙なものですね。
(――東北家・居間――)
東北家に集まっていた面々から、驚愕の叫びが響きました。
原因は、ずん子にあります。
原因は、ずん子にあります。
ずん子……。貴女、自分が言ってることを分かってるの?
『確かにぃ、ご主ずんさまが変身すれば帰還できることは分かっていますけど……、ちょっと危険じゃないですか~?(汗)』
……………………それに、あなたの姉妹の偽者がいる。
あなた騙されやすいから……、今度は見抜けるとは限らない。
あなた騙されやすいから……、今度は見抜けるとは限らない。
じゃあ、今回はきりたんとイタコ姉さま本人と行くってのはどうかな?ヽ(´∀`)ノ
――決断早いですね!?
――というわけで、ずん子たちは再び過去へと向かうことになったのです。
(――「ふるさと女学院」弓道場・「パワースポット」の倉庫内――)
はい、ずん子。「例の」エメラルドずんだ餅。
『とっておき―隠し球―』なんだから、しっかり持ってなさいよ。
『とっておき―隠し球―』なんだから、しっかり持ってなさいよ。
うん! みんなありがとう!ヽ(≧▽≦)ノ
弓道場には、科学と魔術が交差する万全のサポート体制が設けられています。
残りの問題は、当人たちのモチベーションくらいでした。
残りの問題は、当人たちのモチベーションくらいでした。
――まさか、外出さえ億劫なこのわたしがタイムトラベルを強いられるなんて……。
それに、春休みのこの時間は眠いんですけど……。
それに、春休みのこの時間は眠いんですけど……。
まだお天道様が頭の真上にいますわよ!?(;゚∀゚)
あたしは楽しみですわ!
タイムトラベルを体験したイタコなんて貴重ですから、きっと大出世間違いなしですし!
あたしは楽しみですわ!
タイムトラベルを体験したイタコなんて貴重ですから、きっと大出世間違いなしですし!
こ、今度は万全だもん!ヽ(*`ェ´*)ノ
相手の狙いは「エメラルドずんだ餅」。
それが明らかなんだから……あ、あの恥ずかしい晩みたいにはならないわよ!
それが明らかなんだから……あ、あの恥ずかしい晩みたいにはならないわよ!
「怪盗スカラビ」に一杯食わされた夜のことを思い出して、めたんが頬を赤く染めます。
ずん子も別の意味で頬を膨らませていますが――それが、妹の何かを刺激したようでした。
ずん子も別の意味で頬を膨らませていますが――それが、妹の何かを刺激したようでした。
――!? あの晩!?
あの晩ってめたんさんがずんねえさまの部屋に泊まったあの晩ですか!?
あの晩ってめたんさんがずんねえさまの部屋に泊まったあの晩ですか!?
う、うん……?(;゚∀゚)
なんだか分からないけど、やる気出してくれて良かった!(≧▽≦)ゞ
ではでは、しゅっぱーつ!!
なんだか分からないけど、やる気出してくれて良かった!(≧▽≦)ゞ
ではでは、しゅっぱーつ!!
タイムトラベル! 偽者討伐! 出世! 大出世! 大儲け! 自伝!ヽ(*^ω^*)ノ
そしてずんちゃんも有名に――!
ぐふ、ぐふふですわ……!
そしてずんちゃんも有名に――!
ぐふ、ぐふふですわ……!
三人は、パワースポットの中心にある柔らかい座布団に腰を下ろします。
そして、大きく深呼吸すると――全身の力を抜き始めました。
そして、大きく深呼吸すると――全身の力を抜き始めました。
(ここから眠くなるんですわね……ヽ(*`ェ´*)ノ 行きますわよ、イタコ!!
よーし来ませい! 来ませいですわ! 眠気!)
よーし来ませい! 来ませいですわ! 眠気!)
(…………ヽ(`Д´)ノ)
……zzz
――zzz
(――400年前の小部屋――)
やった! 前と同じ部屋っぽいよ!ヽ(≧▽≦)ノ 成功かな?
ずん子ときりたんが目を覚まします。
周りにいたはずのめたんたちの姿はなく、ボロボロだった木の壁も新しいものへと変化しています。
恐らく、タイムトラベルが成功したのでしょう――が。
周りにいたはずのめたんたちの姿はなく、ボロボロだった木の壁も新しいものへと変化しています。
恐らく、タイムトラベルが成功したのでしょう――が。
――……タコねえさまがいませんね……。
眠れなかったのかな?(´ω`;)
それとも、何か別の力が働いて、イタコ姉さまだけこっちに来れないとか……?
それとも、何か別の力が働いて、イタコ姉さまだけこっちに来れないとか……?
『――ご明察。タイムパラドックスが起きるから、だな』
ずん子が腰を抜かすのも無理はありません。
なんと、トラップで誘い込むはずの相手――イタコ(偽)ときりたん(偽)が、すでにその場にいて、ズズズとお茶をすすっているのですから。
なんと、トラップで誘い込むはずの相手――イタコ(偽)ときりたん(偽)が、すでにその場にいて、ズズズとお茶をすすっているのですから。
『二人がやってくる時間までぴったり。さすがですね。
まだ若いのに、大した予知能力を持ってる』(ズズズ
まだ若いのに、大した予知能力を持ってる』(ズズズ
『ははは。
まあオr……あたしの予言にかかれば、この程度造作もないことですわ!(≧▽≦)ゞ ……なーんつって』
まあオr……あたしの予言にかかれば、この程度造作もないことですわ!(≧▽≦)ゞ ……なーんつって』
どうやら、イタコ(偽)の予知能力によって、ずん子たちが来ることはお見通しだったようです。
似てないモノマネをしておどける彼女(?)でしたが、きりたんはそれどころではありません。
似てないモノマネをしておどける彼女(?)でしたが、きりたんはそれどころではありません。
『こんにちは。こうして――面と向かってゆっくり話すのは、初めてですね』
(心なしか、偽者のきりたんの方がはきはきと喋る気がする……(;-ω-)ゞ)
――あ、あなた、何者ですか!?
『あなたと同じ者ですよ。わたしはずんねえさまを愛する者です』
(あああ詰め寄らないできりたん! どっちがどっちか分からなくなっちゃうから!ヽ(`Д´)ノ)
至近距離で並んでも、二人の姿はそっくりです。
あまりに似すぎていて、騙されやすいずん子はすぐに混乱してしまいます。
――そして、その隙に。
あまりに似すぎていて、騙されやすいずん子はすぐに混乱してしまいます。
――そして、その隙に。
『隙あり! エメラルドずんだ餅、いただくぜ!』
きゃっ!?(゚´ω`゚)
イタコ(偽)が、ずん子の懐から「例の」エメラルドずんだ餅の入った小袋をかすめ取ってしまいました。
こ、こら! 勝手に開けちゃダメだよ!ヽ(`Д´)ノ
『へっへっへ……。
こいつさえあれば、姐さんの悲願を……って、おわっ!?』
こいつさえあれば、姐さんの悲願を……って、おわっ!?』
『……っ!? これは……罠!?』
イタコ(偽)が小袋を開けた瞬間、中からロープほどの太さがある枝豆のツルが一斉に飛び出してきました。
そう。めたんの能力です。
そう。めたんの能力です。
――めたんさんは『エメラルドソーン』とか言ってましたね。
でもこれ、悪役が使うタイプの罠ですけど……。
でもこれ、悪役が使うタイプの罠ですけど……。
『くっ……ツルが絡みついて着物がはだけちまう……!』
『ああん! そ、そこはダメですツルさん!///』
――ちょっ、わたしの姿で変な声出さないでください!
と、とにかく、お二人を私たちの時代にお招きしますね!ヽ(≧▽≦)ノ
何が目的なのか分かりませんけど、ゆっくりお話ししましょー!
何が目的なのか分かりませんけど、ゆっくりお話ししましょー!
『あは、あははは! く、くすぐったい……!///』
き、聞いてない……。
まあ、とりあえずエメラルドずんだ餅を食べて変身を……って( ゚ω゚;)
まあ、とりあえずエメラルドずんだ餅を食べて変身を……って( ゚ω゚;)
――……あ!
高らかに言いかけて、ずん子は大変なことに気付きました。
『……おいおい、まさか……』
し……しまった……((( ;゚Д゚)))
(――再び、「ふるさと女学院」弓道場・「パワースポット」の倉庫内――)
あああああ!。゚(PД`q*)゚。 ずんちゃんときりちゃんがピンチの予感ですわ!
そんな予感があたしのイタコ力にガンガン訴えかけてきてますわ!
なのに全然眠くない! 眠くならない!
そんな予感があたしのイタコ力にガンガン訴えかけてきてますわ!
なのに全然眠くない! 眠くならない!
さすが『時間の奴隷―社会人―』ね。規則正しい生活が身についてるんだわ。
こ、ここは思い込み戦法でいきますわ!
おっ、眠くなってきた! 眠くなってきた!ヽ(´∀`)ノ
おっ、眠くなってきた! 眠くなってきた!ヽ(´∀`)ノ
行け行けなのだー! ねーむーれー! ねーむーれー!
(……………………うるさい……)
(――再び、400年前の小部屋――)
――タコねえさまからの援軍は期待できませんしね……。
わたしの第六感がそう告げています。
わたしの第六感がそう告げています。
(……期待されてないな、東北イタコ……)
イタコ(偽)が複雑そうな顔をしていますが、事態は深刻です。
なにせ、この時代からずん子たちが元いた時代に戻るには、エメラルドずんだ餅を食べて変身したずん子の「ずんだアロー」が必要なのですから。
なにせ、この時代からずん子たちが元いた時代に戻るには、エメラルドずんだ餅を食べて変身したずん子の「ずんだアロー」が必要なのですから。
ごめんね、きりたん……。゚(PД`q*)゚。 私が誘ったせいで……。
――いえ、わたしはずんねえさまがいれば、どの時代でも生きていけますから。
……ゲームとかないし、引きこもってられないよこの時代。たぶん(´・ω・`)
言葉に詰まったきりたんの小さな手は震えています。
まだ部屋の中なので実感がありませんが、ここは400年前。
まったく身寄りのない世界なのです。無理もありません。
まだ部屋の中なので実感がありませんが、ここは400年前。
まったく身寄りのない世界なのです。無理もありません。
――だ、大丈夫ですよ! きっと誰かがまた来てくれますから!
もう少しここでみんなを待って……。
もう少しここでみんなを待って……。
『…………はぁ』
気丈に振舞おうとするきりたんの言葉を遮ったのは、もう一人の彼女――きりたん(偽)の優しい溜息でした。
――な、なんですか。
『きりたん、あなた泣きそうですね。
……しかたないですね、一度だけですよ』
……しかたないですね、一度だけですよ』
柔和な声。敵意はなく、むしろ暖かい――母親のような眼差し。
偽者のきりたんは、ずん子たちの誰よりも大人びた、落ち着いた口調で、きりたんに向かって両手を広げました。
偽者のきりたんは、ずん子たちの誰よりも大人びた、落ち着いた口調で、きりたんに向かって両手を広げました。
『おいで。きりたん』
――えっ……? は、はい。
きりたんがふらふらと引き寄せられていきます。
もう一人のきりたんは、そんな彼女のことを慈愛に満ちた眼差しで迎えると――、
もう一人のきりたんは、そんな彼女のことを慈愛に満ちた眼差しで迎えると――、
『まだまだ子どもですね。
でも、少しだけ大人になったかな』
でも、少しだけ大人になったかな』
――そっと、きりたんのことを包み込んだのでした。
わ、わっ……!
きりたんの身体にきりたんが……∑(゚д゚;)
きりたんの身体にきりたんが……∑(゚д゚;)
――えっ、ちょっ……。
まさか……この感覚は……!
まさか……この感覚は……!
光の奔流がほとばしり、きりたん(偽)はきりたん(本物)の身体の中へと吸い込まれていきます。
まるで――元々そうであったかのように、自然に。
まるで――元々そうであったかのように、自然に。
そして――、
へ、変身したー!?∑(゚◇゚ノ)ノ
なんと、きりたんまで、新しい姿に変身したのでした。
――これは……この力……。
懐かしい……。
懐かしい……。
(姐さん……)
――そのとおりですね、ずんねえさま。
…………行きます!(チャキ
…………行きます!(チャキ
4つの砲口を一点に向けて、きりたんが地面を踏みしめます。
充填される味噌の香りはいつもの何倍も濃厚で、狙いを定めるきりたんの瞳は普段の何倍もきりりとしていました。
充填される味噌の香りはいつもの何倍も濃厚で、狙いを定めるきりたんの瞳は普段の何倍もきりりとしていました。
その姿には――なにか、心強いものに背中を支えてもらっているような、そんな強さがあるのです。
『……やべっ!』
あっ!∑(゚д゚;)
一人減ったことによって緩んだツルから、イタコ(偽)が飛び出して、小屋の外へと消えて行ってしまいましたが、それも束の間。
に、逃げられた……ってうおあ!∑(゚д゚;)
ずん子がそっちに気を取られている間に、「きりたん砲」は時空間を歪ませることに成功。
空間に巨大な竜巻のような「穴」を開けてしまっていたのです。
空間に巨大な竜巻のような「穴」を開けてしまっていたのです。
――タイムホールです! 元の時代に戻れますから、そのまま飛び込んで!
そうなの!?ヽ(´∀`)ノ
じゃあ行く!(バッ
じゃあ行く!(バッ
――わたしも……っ!? あれ……?
きりたんが飛び込む瞬間、彼女の変身が解けてしまいました。
もう一人のきりたんだった人は――どうやら、一緒には来てくれないようです。
もう一人のきりたんだった人は――どうやら、一緒には来てくれないようです。
自分を包んでいた温もりが急になくなったことに一抹の寂寥感を覚えつつも、きりたんは、思わず「その人」の名前を呟いてしまいます。
懐かしい――もう出逢えないと思っていた、その人の名を。
懐かしい――もう出逢えないと思っていた、その人の名を。
そして――二人は、元の時代に戻ったのでした。
(――静かになった「ふるさと女学院」弓道場・「パワースポット」の倉庫内――)
……zzz。ですわ……。
『まーくつーたちの応援がイタコさまの副交感神経に届いたんですね~!
やはり声出しは基本ですね~!』
やはり声出しは基本ですね~!』
肩で息をしながら、そらたちが船を漕ぐイタコを囲んでいます。
彼女らの顔には、一様にやり遂げた表情が浮かんでいました。
彼女らの顔には、一様にやり遂げた表情が浮かんでいました。
――帰りました。(ヒュンッ
『…………』
……………………。
――その後、お昼にガッツリ眠ってしまったイタコは、当然夜にも寝付くことができず、出世どころかイタコ業の調子を崩してしまいましたが――それはまた、別のお話。
――おわり――(東北ずん子小説新編はSS執筆支援サイト『アイノベ』(http://inove.jp/)を中心に更新しております!
(第1話はこちら! http://togetter.com/li/320198 )
(前回:第82話はこちら! http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=84 )
(次回:第84話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=481 )
(魔法少女編記事一覧はこちら! http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=59 )
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