予告状を出す怪盗はだいたい義賊――東北ずん子小説魔法少女編:第4話
「それ現実にはガチ犯罪者しかいないじゃん!」と、作中とのギャップが大きいマンガのヒーローと言えば海賊、怪盗などが挙げられます。怪盗と言えば、ホームズとルパンが戦った時から「探偵」との「Wヒーロー、夢の競演」的な展開もよく見られますね。
ちなみに我が国では、『コ○ン』や『金○一』を読んで探偵に憧れた少年たちが「実際の探偵はほとんど殺人事件などには関わらない」という現実を知って打ちひしがれるまでが様式美になっているのではないでしょうか。現実は世知辛いです……。
ちなみに我が国では、『コ○ン』や『金○一』を読んで探偵に憧れた少年たちが「実際の探偵はほとんど殺人事件などには関わらない」という現実を知って打ちひしがれるまでが様式美になっているのではないでしょうか。現実は世知辛いです……。
(――山中・某所――)
夜。めたんが「自宅」のテントへと戻ってきました。
携行していた巨大なドリル「ハイド」は中に持ち込むと眠るスペースがなくなるため外に立てかけておき――身軽になって、テントの中へと入ります。
携行していた巨大なドリル「ハイド」は中に持ち込むと眠るスペースがなくなるため外に立てかけておき――身軽になって、テントの中へと入ります。
あら? 何かしらこれ、手紙?
住所もないわたくしの家に、一体どうやって……。
住所もないわたくしの家に、一体どうやって……。
その入口に無造作に置かれていた一通の手紙。それをめたんが手に取った――その時でした。
ガサガサッ!
――と、周囲の草藪が不吉な音を鳴らしたのです。
――と、周囲の草藪が不吉な音を鳴らしたのです。
な、何!?
……こーんーばーんーはー!(ゴゴゴゴゴ
……ちょっと失敬。(ゴゴゴゴゴ
人!? こんなところに!?
まさかこの手紙を送ってきたのは……っ!?
まさかこの手紙を送ってきたのは……っ!?
慌てて「ハイド」のところへ向かおうとしためたんですが、時既に遅し。
草むらから飛び出してきた2つの影は、恐るべき手際の良さで、めたんの「自宅」への襲撃を開始したのでした。
草むらから飛び出してきた2つの影は、恐るべき手際の良さで、めたんの「自宅」への襲撃を開始したのでした。
きっ……!
めたんの悲鳴が、夜の山中にこだましました。
(――「ふるさと女学院」・教室――)
そうなのよ! こんな手紙が来たかと思ったら! 間髪いれずに!
……まあ、わたくしには何事もなく、「ハイド」を持って行かれただけなのだけれど。
……まあ、わたくしには何事もなく、「ハイド」を持って行かれただけなのだけれど。
翌日。見るからに不機嫌そうなめたんが、ずん子に件の「手紙」を突きつけていました。
「予告状。
四国めたん様、貴殿の大事なもの、しばしお借りいたします。
怪盗スカラビ」……。
四国めたん様、貴殿の大事なもの、しばしお借りいたします。
怪盗スカラビ」……。
そ、そうかも( ゚ω゚;)
ってことは、あの時一緒にいたうさぎちゃんにも手紙が……って、あれ?
ってことは、あの時一緒にいたうさぎちゃんにも手紙が……って、あれ?
ああ、うさぎとそらならあの「亜空間―パワースポット―」の調査をするとか言って、どこかに行ったわよ。
そっか……。じゃあ、「注意して」ってメールだけしておこうかな(`・ω・´)
めたんちゃんも、今夜は一応うちに泊まれば?
めたんちゃんも、今夜は一応うちに泊まれば?
そうね。悪いけれど、おじゃまするわ。
めたんが溜息をつきます。
大きなドリルを携帯していない彼女は、どこか弱々しく見えるのでした。
大きなドリルを携帯していない彼女は、どこか弱々しく見えるのでした。
(――ずん子の自室・深夜――)
美しい月光が差し込むずん子の部屋。
その窓際から、廊下へ繋がる扉を、「ずんだアロー」形態になったずんだもんが狙っています。
その窓際から、廊下へ繋がる扉を、「ずんだアロー」形態になったずんだもんが狙っています。
イタコ姉さまときりたんには「今日だけは来ないでね!」って注意したし、扉を開けるとしたら犯人以外いないよね!ヽ(≧▽≦)ノ
まあ、「ずんちゃんとめたちゃん二人で何するんですの!?」とか言われたけれどね……。
ずんだもんもいるのだから、万に一つも間違いなんて起きないのに。
ずんだもんもいるのだから、万に一つも間違いなんて起きないのに。
じゃ、私たちは寝たふりして待機しよう! あー、楽しみだなー!ヽ(´∀`)ノ
あのねえ、「サンタさん―お父さん―」の正体を確かめようとする子どもじゃないんだから。
それとずん子、もうちょっと奥に詰めなさいよ。
それとずん子、もうちょっと奥に詰めなさいよ。
あれ? 私のベッドで一緒に寝るの?∑(・ω・ノ)ノ
床には「セキュリティ―トラップの糸―」が張ってあるんだから、布団敷けないでしょう?
仕方なくよ、仕方なく。
仕方なくよ、仕方なく。
zzz……。のだー……。
……。
めたんちゃん? 掛け布団持ち上げてると冷気が入ってくるんだけど……(´ω`;)
ええ!?∑(゚д゚;) 布団どうするの!?
そのまま寝るわよ! こちとら野宿のスペシャリストよ!
いやいやいや! お客さんにそんなことさせられないから!( ゚ω゚;)
だったら私が……って、何あれ!?
だったら私が……って、何あれ!?
めたんが恒例の面倒くささを発揮しかけた瞬間でした。
ずん子の下手に差し込んでいた月光が一瞬で遮られ――外に、人影が浮かび上がったのです。
ずん子の下手に差し込んでいた月光が一瞬で遮られ――外に、人影が浮かび上がったのです。
ま、窓から!? ここ二階だよ!?∑(゚д゚;)
予想外の方向からの侵入者に、ずん子が飛び起きます。もちろん、深く考えずに。
彼女はそのまま窓へと突進しようとしますが――当然、その道中には、「例の糸」が仕掛けてあるわけで。
彼女はそのまま窓へと突進しようとしますが――当然、その道中には、「例の糸」が仕掛けてあるわけで。
ちょっ、バカ!
……え?(´・ω・`)
ギリギリまで張った糸を、ずん子の足が踏んづけ――プチンと、断ち切ってしまいました。
ちょっと! わたくしまで巻き添えに……こら! 引っ付いてこない!
もがー!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。
……あっ、めたんちゃんパジャマだと服がゴワゴワしてなくて柔らかい!
……あっ、めたんちゃんパジャマだと服がゴワゴワしてなくて柔らかい!
なんの話してるの!?///
ずん子たちが騒いでる間に、窓際の人影は易々と部屋に侵入し――予告状に書いてあったとおり、「大事なもの」――「ずんだアロー」に変身したずんだもん――を脇に抱えました。
――さらに。
「犯人」の顔を確認しようとしたずん子たちの視界を、強烈なフラッシュが遮ったのです。
「犯人」の顔を確認しようとしたずん子たちの視界を、強烈なフラッシュが遮ったのです。
きゃっ! 眩しい!∑(-∀-ノ)ノ
こら! わたくしの胸に顔埋めるんじゃないわよ!
いまそれどころじゃ……って、いない……。
いまそれどころじゃ……って、いない……。
元々が逆光の室内です。フラッシュの中、相手の顔を確認しようとしても、もはや手遅れでした。
――後に残ったのは、ぽっかりと消滅した窓ガラスから吹き込む一筋の風だけで――「怪盗」の姿は、影も形もなくなっていたのです。
――後に残ったのは、ぽっかりと消滅した窓ガラスから吹き込む一筋の風だけで――「怪盗」の姿は、影も形もなくなっていたのです。
(――翌日、「ふるさと女学院」・お昼休み――)
そらとうさぎが、心なしか普段より楽しそうに弁当の包みを広げています。どうやら、いいことがあったために、いつもより豪勢にしてきたようです。
それに対し、ずん子たちには元気がありません。
昨日の出来事を考えれば無理もないことですが、それ以上に――。
昨日の出来事を考えれば無理もないことですが、それ以上に――。
『お二人とも、しんどそうですね~(汗) 昨晩はなにやら大変な事態だったようで~♪』
……………………大変と言えば、こっちも大変なことがあった。
……えっ!?∑(゚д゚;)
ま、まさか……。
ま、まさか……。
やはり……、うさぎも「狙われた」のね!?
あ、そっちかー(;-ω-)ゞ 良かった良かった。
ええっ!?(*`ロ´ノ)ノ 400年前って……江戸幕府が始まったあたりじゃない!?
衝撃的な発見です。
ずん子のいいリアクションも相まって、そらは引き続き、得意げに語り出しました。
ずん子のいいリアクションも相まって、そらは引き続き、得意げに語り出しました。
『そうなんですよ~♪
うさぎさまの発案でぇ、ご主ずんさまやめたんさま、それにうさぎさまの持ち物に付着した炭素から逆算したんです~♪
年代測定法としてはかなり信頼の置ける方法なんですよ~♪』
うさぎさまの発案でぇ、ご主ずんさまやめたんさま、それにうさぎさまの持ち物に付着した炭素から逆算したんです~♪
年代測定法としてはかなり信頼の置ける方法なんですよ~♪』
じゃあ、わたくしたちは「時間跳躍―タイムスリップ―」したってこと!? やだ格好いい…………って、ん?
なっ……!?∑(゚ω゚ノ)ノ
どこからともなく、「ハイド」と「ずんだアロー」が落ちてきました。
どうやら、そらの作り出した無重力空間を使って、空中に保管してあったようです。
どうやら、そらの作り出した無重力空間を使って、空中に保管してあったようです。
……………………夜間に借りに行ったことについては申し訳ない。
わたし、お風呂に入っている間にアイデアが浮かんでくるタイプで。
わたし、お風呂に入っている間にアイデアが浮かんでくるタイプで。
そ、それはすごい分かるけど!
言ってくれれば普通に貸したよ!?( ゚ω゚;)
言ってくれれば普通に貸したよ!?( ゚ω゚;)
……………………で、このアイデアをそらの人に伝えたら
『じゃあ面白い方法でやりましょ~♪ そら(sky)とうさぎ(rabbit)で怪盗スカラビはどうですか~?』
と言われ……。
『じゃあ面白い方法でやりましょ~♪ そら(sky)とうさぎ(rabbit)で怪盗スカラビはどうですか~?』
と言われ……。
『怪盗って憧れませんか~?
まーくつーの無重力化能力とぉ、うさぎさまの砂状化能力を使えばぁ、どんな家にも侵入可能なんですよ~♪』
まーくつーの無重力化能力とぉ、うさぎさまの砂状化能力を使えばぁ、どんな家にも侵入可能なんですよ~♪』
そう言ううさぎの口元は少し緩んでいるように見えます。
彼女も彼女で、状況を楽しんでいたということでしょうか。
彼女も彼女で、状況を楽しんでいたということでしょうか。
でも、それなら私かめたんちゃんのどっちかの持ち物で良かったんじゃないの?ヽ(*`ェ´*)ノ
『測定の精度と信頼性を上げるためにはぁ、ちゃんと追試をしないといけませんから~♪』
……………………ちなみにこれが詳細のレポート。読んでも分からないかもしれない。わたしは分からなかった。
えーっと、このデータが「ずんだアロー」ので、こっちが「ハイド」の……。
あっ、方法の引用元が明記してある(;゚∀゚)
あっ、方法の引用元が明記してある(;゚∀゚)
なにかしら、この科学的に誠実な態度……。
写真データも豊富だし……って、これは……。
写真データも豊富だし……って、これは……。
うわ!? 私とめたんちゃんが網に閉じ込められてる写真だ!?
「謝辞――本実験に快く協力していただいたお盛んな二人に厚く御礼申し上げます」
…………。
「謝辞――本実験に快く協力していただいたお盛んな二人に厚く御礼申し上げます」
…………。
……………………チッ。
『Nature』じゃなくて『FRYDAY』だこれ! 事故だから!
『というわけでぇ、お騒がせいたしました~♪ お二人の大事な持ち物はぁ、ここにお返しいたしますね~♪』
……………………で、このお弁当は実験の成功を祝ったもの。
ごはんに合うおかずばかりを詰めてきた。
ごはんに合うおかずばかりを詰めてきた。
一仕事終えたそらとうさぎは口も滑らかです。
それに対し、いくら画期的な発見とはいえ――おかげで寝不足のずん子とめたんは、大変機嫌がよろしくありませんでした。
それに対し、いくら画期的な発見とはいえ――おかげで寝不足のずん子とめたんは、大変機嫌がよろしくありませんでした。
……うふふふふ(`・д・´)
『……ご主ずんさま? お祝いですからぁ、おかずが欲しければ言っていただければ……』
……ねえずん子。せっかく「ずんだアロー」も返ってきたことだし、わたくし、いいことを思い付いたのだけれど。
……………………!? な、何を……!?
――そらとうさぎの前にめたんが移動し、二人を押さえつけます。
その隙に――ずん子は、「ずんだアロー」を引き絞っていました。
その隙に――ずん子は、「ずんだアロー」を引き絞っていました。
やりなさい! 昨夜のわたくしたちの「無念―睡眠時間―」を、その矢に乗せて!
『ま、まさか~!?(汗) まーくつーたちのお米をずんだ餅に……!?』
ふふふ……。おかずと合わなくしてあげる……!
いや私はずんだ餅があればどんなおかずでも食べられるけどね! えっへん!ヽ(≧▽≦)ノ
いや私はずんだ餅があればどんなおかずでも食べられるけどね! えっへん!ヽ(≧▽≦)ノ
――その後、『全部食べると太りますよ……』という一言の下、結局ずんだ餅となった白米をずん子が食べ、ずん子のお弁当に入っていた白米をそらとうさぎが食べるという実に平和的な解決策が採用されましたが、
――それはまた、別のお話。
――それはまた、別のお話。
(第1話はこちら!→ http://togetter.com/li/320198 )
(前回:第81話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=79 )
(次回:第83話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=411 )
(魔法少女編記事一覧はこちら! http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=59 )
(前回:第81話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=79 )
(次回:第83話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=411 )
(魔法少女編記事一覧はこちら! http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=59 )























