あなたが土下座しなければならない7つの理由
土下座って、その存在自体は知っていますけど、いざ土下座をしようと思ってもなかなかその機会がありませんよね。普通の人たちは、一体どんな時に土下座をするハメになったり、土下座をされて困ったりしているのでしょうか?というわけで今日はそんな感じ。
(――ずん子たちの通う小中高一貫校・「ふるさと女学院」、昼休み――)
…………orz(土下座ッ!
……ずん子、何をやっているのかしら? わたくし、お腹が空いているのだけど……。
『さあ~? まーくつー、ご主ずんさま(5)の行為を画像に記録してぇ、ウェブ上の類似行為の画像と照合できますけど~? やりますか~?』
いや……、そういう意味じゃないのよ。わざわざ検索してもらわなくても、あの子が三つ指ついて額を地面につけてる行為が一般的に何と呼ばれるのかは分かるわよ? 女子力なんて(5)だし……。でも、ほら。
……なんでわたくしたちに向かって土下座してるの?
助けてください!! よろしくオナシャス!!!!orz(デデドン!
「交渉の極意その4:理由を告げずにひたすら低姿勢になることで、相手に申し訳ない気持ちを抱かせてから要件を告げる」――と、書かれたページが大きく開いた本がめたんの足元に転がっていますが、彼女は見ないふりをしてあげました。
ちょっと、ずん子。そのままじゃあ『光の刻――ランチタイム――』に入れないんだけど。とりあえず、要件を……。
『ぽ~。やっぱりこのくらいの時期の高さの太陽光が一番おいしいです~♪』
……(イラッ
『おや~? めたんさま(21)の女子力が(14)に~? ストレスですか~?』
そら……、アンタ勝手に抜け駆けして『お昼ごはん――太陽光――』食べ始めるの禁止。というか、ちょっと放っておくと太陽のほうを見る癖、直しなさいよ。向日葵か!
『…………?』(ガッションガッションガッション
(ソーラーパネルが勝手に動いてる……。言っても無駄かしら……)
(ずん子はプルプルし始めた……。『魔の金縛り――足が痺れた――』のね……)
ε=ε=ε= orz(ズザザザザザザザッ
ひい!? 来ないで来ないで! ゴキブリか!
めたんが席を立とうとすると、ずん子が土下座したまま、多脚戦車のような動きで追ってきます。どうやら彼女の要求を聞くまではお昼ごはんに手をつけられそうになく、めたんは泣きたい気持ちでいっぱいでした。
『めたんさま(10)~、また女子力が下がりましたよ~? 嘘はいけませんよ~♪』
嘘発見器にもなるのね、女子力……。臨機応変に嘘をつけるっているのも、素敵な女子の条件だと思うけど。
そして、背中側からはそらさんに撃たれます。グルでやってるんじゃないかと疑うめたんでしたが、ただ単に、このアンドロイドが直球過ぎるだけなのでしょう。
……で、ずん子?
orzε=ε=ε=(ズザッ ε=ε=ε=orz(ズザッ
いい加減要求を述べなさい。土下座したまま反復横飛びしてる場合じゃないわよ。
痺れを切らしためたんは、足元に落ちていた交渉術の本を拾い、その表紙で彼女の頭をべこっ、と叩きます。ずん子は顔を上げ、めたんの手に交渉術の本があることに気付き、自分の作戦が読まれていたことを察すると……しぶしぶと、土下座を解除しました。
(――放課後、ふるさと女学院裏・山道――)
――弓道部が廃部の危機だから、わたしに仮入部してほしい?(ヒィヒィ わたし高等部じゃありませんけど、いいんですか?(ハァハァ
うん(´;ω;`) おっけーもおっけー、花丸オッケー! めたんちゃんとそらちゃんにもお願いしたの。五人集まれば、部活の存続が認められてね?
――……現在、正式部員は?(フゥ、フゥ
ふふふ……(`・ω・´) なにを隠すことがあろう、なんと私一人!!!!!(ババァーン
『どうしてこうなった、とそらはそらは口まねをしながら突っ込んでみたり』
まあ、無理もないわ。弓道部の活動場所、学院の裏山の頂上だもの……。往復するだけでそこらの運動部の持久力トレーニングに匹敵するし……(ゼエゼエ
その通り!ヽ(≧▽≦)ノ 加入するだけで引き締まったナイスバデーをゲットできるよ! ……もっとも、このキャッチフレーズで部員勧誘した今年は、誰も残らなかったけど……(゚´ω`゚)
『女子力的に言うとぉ、毎日の運動に加えて、弓道で胸筋を鍛えることは無駄じゃありませんよ~? あくまで一般的な話ですけどぉ~♪』(ずん子の胸部を見やりながら
『お~♪ ご主ずんさま(52)、涙は女の武器ですよぉ~。女子力大幅アップです~。せっかくですからまーくつーの内部に用意されてるBGM発生装置でそのシチュエーションを鮮やかに彩りますね~』
BGM!? アンタそんなこともできるの!?(ゼエゼエ
『はい~。じゃー流します~。♪ぺったんぺったんもちぺったん♪』
なんだろう……お餅の歌なのに……お餅の歌なのに哀しいよお……。゚(PД`q*)゚。
……嫌がらせか!(ゼエゼエ
そんなことをやっているうちに、裏山の頂上に到着しました。厚く、重い衣装を着ているめたんと、普段運動しないきりたんはそれだけで満身創痍です。彼女らの体力も勘案して、とりあえず今日は見学だけ、というつもりでしたが――弓道場には、思わぬ刺客が潜んでおりました。
い、イタコ姉さま!?∑(・ω・ノ)ノ! そんな仕事もやってたんですか!?
――タコねえさま、苦労してるんですねえ……。
ま、大人ってのは汚いものよね。かくいうわたくしも、『大人の事情――部費払えない問題――』で、今まで部活やってなかったのだけど。
そんな辛い経験をされているアナタのストレスに! 行き先も解らぬまま走り出すためのこの『商品名:盗んだバイク』! 普通免許しか持っていないアナタにも安心の原付規格ですわ! 今なら一晩だけ十五歳に戻った気分になれるこの『支配からの卒業証書』もつけて! お値段は!(o'∀'人)
いりません。
『「商品名:盗んだバイク」ってぇ、よく分からない回転寿司屋に回っているよく分からない赤い切り身を「商品名:マグロ」って言い張るのと同……』
――そらさん、それ以上いけない。
……買っていただいた暁には、学園への部の申告にも色をつけさせていただきますわ……ヽ(*^ω^*)ノ
とまあ、冗談はさておき(o'∀'人)、部活動、始めてくださいな。今日は体験入部の方が多いようですので、かるーい感じでも構いませんから。
あ、はい……(;´Д`) じゃ、じゃあとりあえずそれぞれの弓道へのイメージを知るために、一本射てみてくれるかな……。最初だから、なかなか思い通りには行かないかもしれないけど、頑張って!(部長面
というわけで、弓道部存続のための活動が始まったのでした。
(――第一射・めたんの場合――)
……ふふっ。我流でやらせてもらうわ。何と言っても初めてだものね。
要は的の真ん中に当てればいいんでしょう? 簡単よ、簡単。わたくしの手にかかればこの部活を全国大会常連レベルにまで育て上げることくらいわけないわ。
……いや、めたんちゃん? 弓道は確かに的の真ん中に矢を当てることも大事だけど……ね? 弓「道」なんだから、むしろ射る前とあとのたたずまいや心の持ちようのほうが大事というか……。
まあまあ。わたくしの左手でこの寂れた道場に虹を描いてみせるわ! そら! 打ち合わせどおりにBGMスタート!
『はぁい~♪』
と、相槌をうったそらさんの身体から、立体音響でヘヴィな重低音が効いているトランスなポップミュージックが流れ出します。"HEY, YO!!!!"といった感じに腰をくねらせるめたんの構えは、誰がどう見ても――。
――ダーツのつもりでしょうか……。
えいっ。
――とはいえ、ダーツの的の距離は2.4m前後なのに対して、近的用のこの道場は的まで28メートルあります。全身を使って振りかぶって投げたところで、「ハイド」が的に届くはずもありません。かっこつけたポーズからかっこうよく投げられた「ハイド」は、あえなく、ぽてっと地面へと突き刺さ...
――そのまま地中を、進み始めました。
(♪マーチっぽいBGM♪) 『すっすめ~♪ すっすめ~♪』
いやダメだよ!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。 普通落ちた矢は動きません!!。゚(PД`q*)゚。
――めたんさん、左利きだったんですね。
まあ、おおかた「元々右利きだったけど左利きのほうがカッコイイから矯正しました」ってところでしょうね……(;´・ω・) 中二病を自分の努力で実現しようとする、その努力に免じて40点くらい差し上げましょうか……(カキカキ
今ので得点くれるの!?∑(゚ω゚ノ)ノ
(――第一射、きりたん・そらの場合――)
――月は出ているか?
え?(´・д・`) (嫌な予感しかしない……)
『……あなたにぃ、力を~……!』
そう呟くと、そらさんは背中のソーラーパネルを「X」の文字風に広げ、きりたんを抱え上げました。きりたんはといえば、当然弓矢など手に持っているはずもなく――的を狙うのは、彼女の両肩の二門の「きりたん砲」。
(絶対やると思ったわ……。なんか細かいところがところどころ間違ってて気になるけれど……)
香ばしいきりたんぽ鍋の香りを弓道場にまき散らして発射された「ツイン・きりたんぽキャノン」は、サン○イズアニメでよく使い回されるあのビーム発射時のSEを鳴り響かせながら、28メートル先に並んでいる的のうち2つを、文字どおりに「破壊」しました。
ちょっ……!( ゚д゚ ) しかも貫通してるー!?
お見事ですわ!ヽ(≧▽≦)ノ 二つ同時ということは、200点差し上げなければ……。
待った待った待った待った!( `o´ )コラコラコラ~ッ!!
……なんですの?(。・´_`・。) せっかく高得点をGETしたのだから、遠慮無く喜んでくれても……。
弓道ってそういう競技じゃないから!ヽ(`Д´)ノ というか査問するならちゃんと勉強してから来てください! ……いいですか! 私もまだまだ未熟ですけど、ちょっとやってみますから!
そう言うと、ずん子は自分の弓と矢を携えて、しずしずと道場の中央へと歩み入ります。地面はボコボコ、的は2つ欠けているという残念な状況ですが、精神を集中させれば、心は痛みこそすれ、所作に影響することはありません。
――(ゴクリ
道場を静寂が包みます。弓道八節と言われる八段階の手順のうち、実際に矢を放つ「離れ」の節はなんと第七段階。それまでの一つ一つの所作によって、射手は、弓と一体化していくのです。
『お~、女子力高いです~♪』
……女子力?
足踏み、胴造り、弓構え、打起し、引分け、会、離れ、残心。八つの節を流れるように――いや、それぞれにメリハリはあるのですが、結果としてみると無駄な力をこめることなく――こなすずん子の姿は、確かに「道」を追及するもの独特の美しさがありました。...
『あなたと他29856人が「いいね!」と言っています』
……まさか、今のをそのままオンラインに流してたとかいうオチじゃないでしょうね……。
『はぁい♪ まーくつー、オンライン中継してました~♪ 外国の方や宇宙人さんに大好評です~♪』
――宇宙人!? 邂逅早くないですか!?
……じゃあそのイイネをそのまま点数として提出しましょう(σ゚∀゚)σ えっと、にまんきゅうせんはっぴゃくごじゅうななてん……と(カキカキ
『わぁい、よかったじゃないですか~♪ これで、ご主ずんさまの部活はなくならなくて済むんですよね~?』
うん! みんなのおかげだねヽ(≧▽≦)ノ
ええ、同好会に格下げはされますけど、活動自体は認められるに違いありませんわ!O(*>▽<*)o
? この紙に書いてありますわよ?(* 'ω')つ『部活として成立するためには、本学園所属生徒による部員を5名以上集めることが要件である。なお、3名以上の生徒が志願した場合、以下の通り制約された活動範囲内で、「同好会」として活動することを認めるものとする。』……って(・∀・)
(♪BGM: トッカータとフーガ ニ短調 by バッハ)
じゃ、提出してきますわー(´ω`)ノシ
ちょっ、まっ……! 同好会に格下げされたら、予算が( ゚ω゚;)……弓道場修繕の費用が……(´;ω;`) あのうさんくさい「盗んだバイク」買いますから! そ、それにほら! orz!! 土下座!! 土下座しますから!
しかし、どうにもなりません。現実は非情です。何度数え直しても、この場に学院の生徒は4名しかおらず、イタコ姉さまに渡された紙の規約には、「5名以上」の文字が躍っているのですから――。
もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!。・ ゚・。* 。 +゚。・。* ゚ + 。・゚・(ノД`)rz
――その後、弓道場破壊の「犯人」3名の始末書&反省文とずん子の再びの土下座により、なんとか弓道場修復の予算はおりましたが――フリーダムな仮入部員たちが「道」を意識して身につけられたかどうかは、また別のお話。
――おわり―― (※今回のアンケートは、『VOICEROID+ 東北ずん子』発売日決定を記念して、「ずん子に喋ってもらいたいセリフ」を引き続き募集します! いくつかのアイデアは実際に採用して、HPで順次公開しております! まとめのコメント欄にて、よろしくお願いします!)
次回はこちら http://inove.jp/ivsid1409















