女湯の中は楽しいことがいっぱい!
「女子高は女の子の花園! そこではきっとマンガのようなキャッキャウフフが繰り広げられているに違いない!」という幻想が崩れて久しい昨今ですが、みなさまお元気でしょうか。そんな私たちにも、まだ希望は残されています。そう、それが今回のテーマ――女湯です。果たして、女湯の中にはどのような現実が待ち受けているのでしょうか!?私たちの理想との齟齬は!?突撃取材!!
(――宮城県・秋保温泉――)
[湯気]\カポーン/という小気味よい音が女子風呂に響き渡ります。湯気でよく見えませんが、中には3人の少女がいるようです。湯気でよく見えませんが。[/湯気]
[湯気]湯気でよく見えませんが、ただ1人、真っ先に湯船に浸かっているのは小柄なショートカットの少女――きりたんのようです。湯気でよく見えませんが、どうやら、普段はあまり緩めない彼女の頬の筋肉が思わず緩んでしまう、絶妙な湯加減のようですね。[/湯気]
――ずんねえさま、まだお身体を洗っているんですか? 早く湯船の中でキャッキャウフフしたいんですけど。
(´゚ω゚)・*;'.、ブッ 本音が漏れてるよきりたん……。いくら気持ちいいお湯だからって、お口まで緩くしなくても……。というか、ショートカットは洗うの早くていいね。
――ロングヘアーは大変ですね……。わたしはむしろ、背中のきりたん砲を洗うのに苦労します。撥水性なうえに汚れ分解コーティングかけてますから、汚れ自体は全然溜まらないんですけどねえ。
確かに……(;´・ω・) オーダーメイドのボディタオルで洗ってるもんね……。
[湯気]湯気でよく見えませんが、自慢の長髪をタオルでくくりあげたずん子は、まだ身体を洗っているようです。全くないとは言えませんが恐らく平均以下であろう身体の凹凸が、薄ぼんやりと、湯気の向こうに浮かび上がっています。[/湯気]
撥水性といえば……∑(o'д'o)、そらさん?
『はい~? どうしました、ご主ずんさま(88)~?』
そらさんってアンドロイドだから、全身の関節に球体関節が仕込んであるんだよね? 防水性とか、耐水性って大丈夫なの?(´・ω・`)
『……う~ん、大丈夫だと思いますよ~? まーくつーは宇宙開拓用のアンドロイドなんですから、水中くらいどうってことないですよ~♪ たぶん~きっと~♪』
(本当だろうか(;゚∀゚)……)
[湯気]恐らく、温泉に来るのは初めてなのでしょう。そらさんはお湯に浸かる前に、浴場のあちこちをホバリングして観察しています。好奇心の赴くままに移動しているので、方向転換をするたびに胸についているものがかすかにぷるぷると震えますが、湯気でよく見えません。[/湯気]
『ご主ずんさま(88)~♪ こっち向いてくださ~い♪[●REC]』
――!?(ザバァ そ、そらさん、それあとでダビングしてください!
[湯気]よく耳を澄ますと、そらさんの目に仕込まれたカメラがキチチ……と動作しているのが分かります。彼女はお風呂の一部始終を録画しているようで、それを知ったきりたんが興奮して立ち上がりました。こちらからは、湯気でよく見えませんが。[/湯気]
きりたんも乗っからない!ヽ(`Д´)ノ ……でも、こう湯気が濃いとほとんど撮れてないかも……。それが唯一の救いかな……(ノ∀`;)
『うふふ~♪ ご主ずんさまぁ(88)、まーくつーのカメラは赤外線モード完備ですよ~? 湯気ごときではぁ、まーくつーの視線を遮ることはできませぇん~』
(――やべ、衝撃のカミングアウトを受けて、顔を真っ赤にし、慌てて自分の身体を抱くように隠すずんねえさま……。鼻血出そう……)
[湯気]――もちろん、こちらからは湯気でよく見えません。[/湯気]
『うふふっ、ご主ずんさま(95)の女子力、かなり高まってますよ~♪ これが人間の「羞恥心」という感情なんですねぇ♪ その調子、その調子です~♪』
――そ、それはさておき、湯気対策に赤外線カメラも装備しているようなら、温泉に浸かったくらいで壊れることはなさそうですね。
『あ、確かにそうですねぇ♪ じゃあ、まーくつー、温泉と初邂逅を果たします~♪』
[湯気]そらさんがそう言うと、彼女の頭部で微妙に発光しながら回転していた「反重力装置」が、緩やかに止まっていきます。すると、ホバリングしていた彼女の足の裏がそっと接地し、彼女のシンボル――胸部が、ぷるんと揺らめきます。もちろん、こちらからは見えませんが。[/湯気]
[湯気]湯船からその光景を目の当たりにしたきりたんの口から、なんとも親父くさい溜息が漏れましたが、まあそれはいいでしょう。とにかく、そらさんは腰を下ろし、浴槽の縁に手をかけて自分の身体を支えながら、その長い脚を一本ずつ、湯船の中に沈めていくのでした。[/湯気]
……あ!∑(o'д'o) 見とれてて気付かなかったけど、一度桶か何か使って自分の身体にお湯をかけて試してみたほうが安全なんじゃ……。
『大丈夫ですよぉ~♪ 温泉ごときに後れを取るようではぁ、宇宙開拓なんて夢のまた夢です~♪』
[湯気]両脚を浴槽に沈めたら、次は腰、胸、肩の順で、丁寧に身体を落としていきます。彼女の胸部だけは、まるで浮きが入っているかのように、お湯に沈むことに対して抵抗しているようですが――誠に遺憾ながら、ここからは湯気でよく見えません。[/湯気]
…………( ゚ω゚;)ゴクリ
『ダイジョブ、ダイジョブですよぉ~♪ ほら、こういう温泉もあるみたいじゃないですか~? え~っとほら、ジャグジー?』(ピーガガ
――いやいやいや、明らかにそらさん本体から出てる気泡ですから。というか、そらさんの周りのお湯が渦を巻いて関節の隙間に入り込んでいるような気がしてならない。気がするじゃなくて間違いない。
『うふ、ウフフフフフフ……。これが、身体の芯まであったまるってことなんですねぇ~ガガガガガ……ピーピー……なんだかぁ、体内からぁ、まーくつーの身体がぁ、あったか……あつ……熱く……ガガガピーピーガガ』
[湯気]そらさんの声にノイズが混じり――それに加えて、彼女の身体本体から、黒い湯気――というより煙が出ています。明らかな異常に、身体を洗っていたずん子はそれどころじゃないと立ち上がり、湯船の方へと駆け出すのでした。[/湯気]
『あ、ご主ずんさま(88)……近づくとピー危ないですよぉ♪ あらーと、あらーと、あらーと、あらーと、今から全身が弾け飛びまぁす♪』
――!? ちょ……弾け飛ぶって、何が!?
『ごめんなさぁい~ガガガガガ 九州そら・まーくつー、オートメンテナンスモードにピー入りガガますね~♪ 関節部分で全身を切り離してぇ、体内のお湯を外に追い出します~♪』
[湯気]カチッ、とスイッチが入る音がして、そらさんの口から何度もアラートが鳴ります。そして、彼女自身の口から「5,4,3,2,1……」というカウントダウンがなされたあと――。[/湯気]
『――ぜろ♪』
ぱっちーん!! という豪快な音がして、彼女の全身が弾け飛びました。その衝撃で一瞬だけ湯気が途切れましたが、こんな衝撃場面を前にして、彼女に駆け寄るずん子の裸に視線を移す暇などなく――[湯気]再び、すぐに湯気は浴場を覆い始めます。[/湯気]
――なんじゃこりゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!?
[湯気]バチコーン、バチコーンと、彼女の身体のパーツが近くにいたきりたんに直撃します。湯気でよく見えませんが、その中には胸部のパーツもあったような気がしますが――さすがのきりたんも、それを喜べるほどの上級者ではなかったようです。[/湯気]
[湯気]――が。[/湯気]
[湯気]――きりたんに待っていたのは、T○Loveる的展開でした。湯気でよく見えませんが。[/湯気]
[湯気]湯気でよく見えませんが、①そらさんの首の部分の球体関節が弾け飛び、ずん子の足元に転がる→②慌てて駆け寄っていたずん子、その球体関節を思いっきり踏む→③ずん子、すっ転ぶ→④その先にはきりたんが! という展開だったようです。よく見えませんでしたが。[/湯気]
――へぶっ!? ず……ずんねえさまのもちもちとした白くて柔らかくつるつるの、しかも洗ってる最中で微妙に石鹸が残っているほどよい肉付きだが凹凸の少ないでもどこか弾力のある素晴らしい香りの身体がわたしの顔面にーーーーーっ!?
[湯気]――それは、至福の時間だったようです。[/湯気]
[湯気]きりたんは堪え続けていた鼻血をどばっと吹き出し気絶。ずん子も滑った衝撃でどこかを打ったのか、それとも自分の目の前で立て続けに起こったハプニングを脳が処理できなかったのか、気絶。もちろん、ボディを弾け飛ばしたそらさんも沈黙しています。[/湯気]
[湯気]一瞬の喧騒ののち――大浴場・女湯は、静寂に包まれました。[/湯気]
(――ところ変わって、大浴場・サウナ――)
[湯気]――時間を少し巻き戻しましょう。そらさんが身体を洗っているずん子を[●REC]しているころ、浴場にいなかった2人の少女――イタコ姉さまとめたんは、そろってサウナにいました。[/湯気]
[湯気]わざわざ付け加えるまでもないことかもしれませんが――当然、ここも湯気でいっぱいです。もくもくです。[/湯気]
……イタコさん、肩をお揉みしましょうか? それとも代謝をよくするマッサージとか、どうかしら?
ちゅっ!?∑(゚ω゚ノ)ノ い……いえ、構いませんわ……。サウナであまり動くと危険ですから、ゆっくりお話しでもして、座っていましょう。
[湯気]そうです。いくら東北圏内、仙台市内から1時間もかからない絶好のアクセスの温泉街とはいえ、山の中でサバイバル生活を営んでいるめたんの懐に、宿泊をするだけの余裕があるはずもないのです。それを負担したのは、イタコ姉さまのようでした。[/湯気]
まあ、元はと言えばこの旅行、ずんちゃんのわがままですから(;-ω-)ゞ 弓道同好会に新入部員が入ったからといって、浮かれすぎですわね……。
ま、すぐに周りが見えなくなるのもあの子らしいけど……じゃなかった、ですけど。それについてくわたくしも大概よね……ですね。
……ふふっ(o'∀'人)
……なによ。じゃない、なんですか?
[湯気]時間潰しのために流れっぱなしになっているテレビの音がほどよいBGMになっています。めたんの隣に並ぶようにして座っているイタコ姉さまは、敬語に四苦八苦している妹の同級生を見て、微笑ましそうな目をしました。[/湯気]
めたんさん、これからもずんちゃんをよろしくお願いしますわね(o'∀'人)
……!?/// と、突然何を言い出すかと思えば……、わ、わたくし、そういうお願いって苦手なの! 『孤高――スタンドアローン――』の女だから、わたくし。
あら、そうですか?( *^皿^) なら、今回の旅費を負担したあたしからのお願い、ということにしてくださいまし。
[湯気]プイッ、と顔を背けためたんの頬は心なしか上気しているように見えますが、こちらからは湯気が邪魔してよく見えないうえに、もしかしたら、サウナに長くいたせいかもしれません。ただ、めたんの口から聞こえてきた声色は、満更でもなさそうに聞こえましたが。[/湯気]
!?(ビクッ
あ~もう!ヽ(≧▽≦)ノ めたんさんカワイイですわ!! 敬語なんて使わなくていいから、もっと自然体で話してくださいな! ……あ、「めたんさん」じゃあちょっとよそよそしいですわね!(o'∀'人) 何か新しい呼び名を考えなければ!!
ずん子が「ずんちゃん」、きりたんが「きりちゃん」ですから……「めたちゃん」でどうでしょう!?(o'∀'人) いい……。いいですわ! これでお揃いですわね!!1!!! 決定ですわ!!!
「めたちゃん」!? なんかメタ展開みたいな呼び名じゃない!? …………あーもう! それでいいから離れて! 暑い暑い!!
[湯気]どうやらキャッキャウフフしているようですが、湯気でよく見えません。ですが、本気で振りほどこうとしないところを見ると、めたんは陥落一歩手前なのかもしれません。つくづく、湯気で見えないのが残念ですね。[/湯気]
わっ!?( *´艸`) めたちゃん、案外着やせするタイプなんですわね!! きりちゃんと似たような体型かと思っていたら、案外……きゃー!///
[湯気]はしゃぐイタコ姉さま、嫌がるめたん。なんとも微笑ましい光景のようです。湯気でよく見えませんが。[/湯気]
[湯気]――と、その時でした。浴場のほうから、\ぱっちーん!!/という豪快な音が聞こえてきたのです。[/湯気]
[湯気]あまりの轟音に、一瞬だけイタコ姉さまの拘束が緩みます。その機に乗じて彼女の腕の中から抜け出しためたんは、逃げるようにサウナの扉を開けて――。[/湯気]
[湯気]――目の前から、肌色の球体が飛んでくるのを目撃しました。[/湯気]
[湯気]飛んできた首の部分の球体関節が、結構な勢いでめたんの額に直撃します。どうやら、ずん子が踏んづけて滑って転んだ拍子に、弾力の強い球体関節が剛速球のようにサウナの方向へ飛んでいったようでした。[/湯気]
[湯気]逃げるようにサウナから飛び出しためたんと、物凄い勢いで飛んできた球体関節。お互いの勢いがぶつかりあった衝撃で、見事、めたんは気絶してしまったのでした。[/湯気]
よ、浴場で一体何が……!?( ゚ω゚;)モモモモ ちょっと、慎重に様子を窺ってみましょう……。
[湯気]気絶しためたんの身体をそっと横たえて、イタコ姉さまがそっと、サウナの扉から浴場の中を覗きます。もちろん、そこには見るも無惨な光景が広がっているのですが、遠くは湯気でよく見えません。むしろ、イタコ姉さまを驚かせたのは、そんなことより――。[/湯気]
『あ~♪ ありましたぁ、まーくつーの首の関節ですぅ~♪』(フヨフヨフヨフヨ
[湯気]――首だけになったジオ○グのようなそらさんが、イタコ姉さまの視界を覆いつくしていたのでした。[/湯気]
『あれ~? そこに倒れてるのはぁ……イタコさまとめたんさまじゃないですか~? ど、どうしたんですかぁ~?』(フヨフヨフヨフヨ
[湯気]お化けに弱いイタコ姉さまは、生首状態になったそらさんを見て即座に気絶します。と、いうことは、この浴場には気絶したずん子、きりたん、めたん、イタコと、身体がバラバラになったそらさんの5人が、素っ裸で、倒れているのです。湯気でよく見えませんが……。[/湯気]
『お、おお~? つまりぃ……これがぁ……?』(フヨフヨフヨフヨ
『――湯けむり連続○人事件!?』(フヨフヨフヨフヨ
(――その日の晩、再び大浴場――)
[湯気]あのあと、4人はすぐに回復しました。とはいえ、バラバラになったそらさんのメンテナンスのためにすぐに部屋に戻ったため、今度こそゆっくりと温泉を楽しもうと、改めてお湯に浸かりに来たのです。(ちなみに、合宿らしいことは何もしていません)[/湯気]
『よ~し、アンチ・お湯ソフトのインストール完了です~。今度こそぉ、温泉初体験ですよ~♪』
――……「アンチ・お湯ソフト」? そんな便利なソフトウェアがあるんですか?
『いえいえ~、まーくつーたちは自律進化型のアンドロイドですからぁ~、いったんピンチになったら自分でプログラムを組んで、それに対抗する機能が備わってるんです~♪ 今回の敵さんは、ずばりぃ、お湯さんです♪』
[湯気]えっへん、と彼女が胸を張ると、胸部のパーツが少しだけ揺らめきます。サイズに比してあまり揺れないのは、今回、「反重力装置」が未だにONのままだから、のようです。――いえ、もしかしたら湯気で見えないだけかもしれませんが……。[/湯気]
『じゃあ、浸かりますね~♪ 反重力装置のおかげでぇ、お湯さんをはね除けながら、浴槽の中に侵入できます~♪』
『あ、要するにそういうことです~♪ お湯だけじゃなくてぇ、このうっとうしい湯気もぉ……全部まとめて、吹き飛ばしま~す♪』(ニッコリ
『――「アンチ・お湯ソフト」、作動です~♪』(パチコーン
――再び、浴場の中に盛大な音が鳴り響きます。前回と違うのは、吹き飛んだのがお湯と湯気のほうだってことと――、中に入っているずん子たち5人が、気絶することもなく、素っ裸で立ち尽くしている、ということでした。そう、ここにきてようやく、湯気の呪縛から解き放たれたのです!
――しかし、尺が尽きてしまいました! その後、そらさんが赤外線カメラで撮影した入浴シーンの湯気無しバージョンが高画質BDとなって発売予定ですが……それはまた、別のお話。
――おわり―― (※感想がございましたら、ぜひぜひまとめのコメント欄にお寄せください! よろしくお願いします!)
次回はこちら http://inove.jp/ivsid1410
















